持つ者と持たざる者

   


街を歩く人々の瞳から 希望の光を奪った者は 誰れ

その足に 重い鉄の玉を繋いだ者は 誰れ

澄んだ空気や水に 消えない毒をまき散らしたのは 誰れ

愛する者達をその手から奪い取り 

代わりに冷たい銃を持たせたのは 誰れ

その銃で同じ人間同士を 殺させようとする者は 誰れ

青年たちから 社会の悪や不正に立ち向かう 

勇気と情熱を消し去ろうとする者は 誰れ

理想を求める行動を無意味だと決めつけ  

有無を言わさず現実を押し付ける者たちは 誰れ

人々の口に 剥がせないテープを張ろうとする者たちは

あらゆる物を 人の心さえも天秤に掛け 

札束に換えようとする者たちは

人々が作りだした富を 

こっそり独り占めしようとする者たちは

世の人々を  持つ者と  持たざる者に 

分けてしまったこの者たちとは  

一体   誰なんだ

そして、 この  誰なんだという問を 

発し続けていた者自身も  

果たして何者で 

何故、   何時、   何処に   

消えてしまったんだろう    ・・・・・・・・。  
    

                
          
      
 
        

      

      

持つ者と持たざる者

持つ者と持たざる者

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-01-24

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted