猫を探して

 お~い
  にゃんこ~

スーツ姿のまま、私は猫の姿を探した
何時もは この辺 にいるはず

路地裏を覗いて見ても簡素な住宅街が広がっているばかりで
猫の姿は見えない

  にゃんこや~い

嫌われたかなぁ
それとも今日持ってきたご飯が口に合わないものと察し
何処かへ出かけてしまったのだろうか
はたまた 家に帰ったのか

仕方がない 今日は帰ろう
来たのは一週間前だったから
縄張りを変えてしまったのかもしれない

ビニール袋の中の猫缶やら鰹のフレークが
今日のところは行き場をなくしてしまったようだ

あの白い毛並みの猫の姿は見れなかった

鞄を小脇に抱え
半透明の白いビニール袋をプラプラ揺らしながら
何時もの場所を後にした

猫を探して

猫を探して

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-01-24

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