見えていない
ここはいつも明るい
僕は月明かりを知らない
明るい事は良い事だ
明るいところから見ている
明るい事は暗い事だ
明るければ明るいほど
暗いところは暗くなる
僕は月明かりを見れない
明るいところで生き
明るいところで死ぬ
明るいのは何か
照らされているのは何か
僕の身体か
はたまた別のものか
いややはり
僕は照らされてなどいない
しかし暗く暗く堕ちていく
それはきっと正しい
ようやく見えた星々や
届くはずのない月明かり
真に見るべきものと
真に見れないもの
痛みを抱えながら
星々に手を伸ばす
空っぽの眼に映るのは
ただそれだけ
見えていない
見えているものと、見るべきもの。
ありがとうございました。