何とも言えない『せい春』
おいおいおいおい、これはさすがにまずいっしょ…
俺は心の中でつぶやいていた。
俺はこっちなのか、いやそっちではないはず、いや少なくともそっちではないと認識しているんだが…
いやでも、こっちでなければ…
頭の中は、こっち、そっちという単語が駆け回りひどく混乱していた。
まぁそれもそのはず。
俺は立ちながら男のほっぺをつねっていたのだ。
もとい、俺は勃ちながら和人(かずと)のほっぺをつねっていたのだ。
『いたい、いたいってば、やめろよー、もー、長いってば!』
そう言われ、ハッとなり和人のほっぺから手を離した。
昼休憩の時間に前の席の和人とゲームをしていたのだ。ルールは簡単で、じゃんけんで負けた方がほっぺをつねられるという遊びだ。
始めて三分位のときに異変を感じたのだ、下半身に。もっと言うと、俺のムスコにだ。
AVを観てるわけでもない、エロいことをかんがえてるわけでもない、のに、のに、俺のムスコはビンビンにそそり勃っていたのだ。
俺はホモなのか、いや過去に女の子と付き合ったことだってあるからそっちではないはず。
でもそっちじゃないなら、俺の、この下半身の現象をどう理由付ける?
そんなことを考えながらもゲームは続いてく。それに比例してムスコは強度を上げてく…
制服のズボンがこの上なく不自然なくらいもっこりしてるのが分かる。不幸中の幸いなことに座っているためそこまで強調されずにすんではいるが…
ムスコが興奮してるからか、心まで高ぶってきた。
もっと、触りたい。和人をもっと触りたい!
水が流れ落ちるかのようにほっぺから首の方に手が移動していった。
もう、じゃんけんなどしていなかった。俺が和人の首や太ももを舐め回すように触っていた。
和人もはじめの方は嫌がってたが、今では俺の太ももを触ってる。
俺の中の何かが外れた。欲望を抑えるリミットのようなものが。
俺は和人のズボンのチャックを手探りで開けてく。ちょうど二人は机を挟んでるため、周りからはいい具合に隠れている。多分。
俺は何とか周りからは怪しまれないように机の下から手を通し、和人のズボンのチャックを開けるとパンツの上から和人のモノを触った。
生温かく、そしてそれは段々と膨らんでいった。
パンツの前の穴から和人のモノを出した。
そして強く揉んで、弱く揉んで、また強く揉んで…
それを数十回繰り返し、彼のモノを手で握った。テニスのラケットのように。
そして手を手前に、奥に激しく動かしていく。
コシコシ…コシコシ…
俺の手と和人のズボンがこすれる音が聞こえてくる。
コシコシ…コシコシ…
この音もたまらなく快感だ。
和人の顔がうっすら赤くなっていき、ウッと言ったかと思うと、白い液体が俺のズボンの方に勢いよく飛んできた。 和人は少し痙攣していた。
その時だった。
『きゃぁああ!か、か、和人君たちなにやってるの?』
隣の席の女子の悲鳴が教室に響き渡る…
クラス全員の視線が、俺の手と和人の萎んだモノの方に集まっていた。
数秒時が止まったかと思うと、突然和人は立ち上がり、俺を思いっきりビンタして、逃げるようにして教室から出て行ってしまった。
残された俺は、ただひたすらうつむき、ズボンについた白い液体をずっと眺めていた。
この先俺はどうなるのだろう、と他人事のように考えながら…
何とも言えない『せい春』
これも一つの青春なのでしょう。
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