今更

短い詩です。
皆さんは自分自身で映像を作り出して下さい。
気分を損なう表現があるかもしれません。
危険を感じたらすぐに閉じること。

今更

遅すぎた、何もかも。
それを今聞くのか、遅すぎる。
聞いて欲しいときなんかいくらでもあった。
泣きたいときなんていつでもあった。
でも、それをさせてくれなかったのはお前らだ。
我慢した、何も考えないようにした。
何も学んでいないお前らが語るな。
何も知ろうとしなかったお前らが心配するな。
結局人はひとりだと、そう知ったのはもっと幼かった頃。
かわいい時期に、話をきいてくれていれば、こんな風にはならなかった。
周りと少し違うだけで、雰囲気が違うだけで、見えてる世界が少しだけ広いだけで、なぜこんな思いをしなければならない?
自信をなくし、らしさを捨て、何事もどうでもいいとなった己に対して、
自信を持て、個性を殺すな、何事も真剣にやれと言うのか。
矛盾むしろ、滑稽。
そんな人間がどこにいる?
あらゆる制限を生きてきた人間が辿り着く舞台なんてたかが知れている。
今更だ。
そう、何もかもが今更なのだ。
後悔しても遅い。
それが、お前らの過去の選択。
過ちとは決して言うまい。
それは、自身が気が付くべきところ。
だが、気づいたところで手遅れだ。
もう舞台は開演、哀しい話の幕開けだ。
お前らはそれに涙しながら拍手すればいい。

今更

皆さん無事でしたでしょうか。
無事なら良いのです。
無事なら。

今更

赤い黒い幕が上がる。皆拍手すればいい。

  • 自由詩
  • 掌編
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-01-22

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