美女と変態


「君は本当に美しいね。」
僕がそう言うと彼女は花の様に笑った。
「美しいものを一人占めしたいと思うことは間違ってるかい?」
彼女は首を横に振った。
「美しいものは美しいままで有り続けなければならないと思うのは?」
彼女はまた首を横に振った。
「こんなにも美しい君もいつかは歳をとり醜く老いていくだなんて僕には耐えられない。」「だからね、これは君のためなんだ。」「美しい姿のままで一生を終わらせてあげる。」「愛してるよ愛してるよ愛してるよ愛してるよ」

そう言って僕は、君の首に手をかけた。


「ガッ…⁈」鈍い音とともに腹部にとてつもない衝撃が走った。
目の前にいる彼女が僕をとてつもない力で殴ったことを理解したのはしばらく経ってからだった。

「なーにが君のため、ですか。ふざけないでください。」
「美しさはその人の内面からでるものであって、例え老いたとしてもそれが消えたりなんかしないんですよ。」
「外見の美しさに囚われて3人もの女性を手にかけた愚かな殺人鬼さん。あなたにひとつだけ言いたいことがあります。」



「貴方、自分の顔鏡で見たことありますか?」


…「菖蒲さん!潜入捜査お疲れ様です!あれ、なんか機嫌悪いですか?」
「当たり前です!なんで私が女装なんて…」
「捜査一課満場一致の意見でしたからね…。あ、でもすっごい綺麗だと思いますよ!」
「鈴白くん。きもちわるい。」
「はい…。」

美女と変態

菖蒲雪(26)性別【男性】
菖蒲さんの女装姿はあとでこっそり売買されたとかなんとか…

相方くんの名前がやっと登場しました。
鈴白茜(24)性別【男性】です。

美女と変態

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-01-21

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