最終ランナー
夜も更けた1号線
男が足を引きずりながら
懸命に歩いている
その道の向こう
消えかけた白線と
タオルを手にした女が立っている
男は42.195kmを11時間45分かけて
ここまでたどり着いた
ただひとり愛する人だけが待っていることを
信じて
それはガンに蝕まれた身体からの
生還でもあった
最終ランナー
夜も更けた1号線
男が足を引きずりながら
懸命に歩いている
その道の向こう
消えかけた白線と
タオルを手にした女が立っている
男は42.195kmを11時間45分かけて
ここまでたどり着いた
ただひとり愛する人だけが待っていることを
信じて
それはガンに蝕まれた身体からの
生還でもあった
最終ランナー