最終ランナー

夜も更けた1号線
男が足を引きずりながら
懸命に歩いている
その道の向こう
消えかけた白線と
タオルを手にした女が立っている
男は42.195kmを11時間45分かけて
ここまでたどり着いた
ただひとり愛する人だけが待っていることを
信じて
それはガンに蝕まれた身体からの
生還でもあった

最終ランナー

最終ランナー

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-01-18

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