寒いな

寒いな

正月を過ぎると
夜はめっきり冷え込んでいる
家々の漏れる明かりを継いで
歩いて行く
時折流れてくる家族の甲高いはしゃぎ声
ずいぶん昔に聞いた記憶がある
ふっとつくため息とともに
ひゅーと風が現実に引き戻す
もともと行くあてなどなくて
家を出たのだが
立ち寄るほどの金もなく
またもと来た道を引き返した

寒いな

寒いな

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-01-18

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