COLORS
日々内容が変わります。
兎は酒を嗜み世界を色で形容する
何千年も、何万年も昔、宇宙ができるよりも昔。
全はたったひとつの『色』だった。
そこに一色の命が芽生えた。
命は形を持たず、ただそこにあるだけだった。
また別の色が命に生きるよろこびを与え、また別の色が受け継がれる意思を与えた。
様々な『色』が混ざり合い、新たな色が『世界』を創り出した。
記憶喪失の少年は魔法使いの存在を確信する
「お前、ホントに何も覚えていないのか?」
「はい、これっぽっちも!」
「私たちがここにいる理由も?」
「まったくもって1mmも!」
「「じゃああれに見覚えは?」」
「・・・・・・・・・」
「化物だああああああああああああああああああああ!!!」
僕の名前は、…なんだったんでしょう。絶賛記憶喪失中の僕です。
自分の名前どころかここがどこなのか、何故ここにいるのか、なぜ記憶を失ってしまっているのかも全く記憶に御座いません。
覚えていることといえば、今が2xxx年で、僕の好物はおいしいごはんだということ。
少なくとも今の僕の記憶には、少女の指差す先にいる動く木の化物は存在していませんでした。
「大声出すな!立ち上がんな!気づかれたらどうすんだ!」
化物に驚き、茂みから立ち上がった僕を青年が僕の口を手で塞ぎ、茂みの中に押し戻す。
「まげもご!あれ!あれは一体何ですか!?なんで僕こんなところにいるんですか!?あなたたち一体誰ですか!?そして僕も一体誰なんですかー!?」
「いっぺんに聞くな鬱陶しい!」
スパンと一度頭を叩かれた。
「痛っつ!!!」
それと同時に頭に激痛。そんなに強く殴られたわけでもないのに。
「そうか、お前あんときに頭を打ったんだったな」
「?」
「要点だけ説明しますね。」
小柄な少女が話し始める。
「あ、ありがとうございふ…」
「私は日嗣レン。彼が九居神ジン。あなたの名前はごめんなさい。私たちにはわからないの。」
「知り合いではないんですか?」
「ええ。あなたは私たちがあれに襲われているところを助けに来てくれたの。」
「実際はレンが囮になってあれを引きつけてるときにお前がしゃしゃってきただけだけどな!」
「ジン!」
「本当のことだろうが!」
「も、申し訳ない…」
「いいの。助けようとしてくれたんだから。命の恩人と変わらない。」
「そ、それと!アレってなんなんですか!?あの木の化け物!」
「あれは私たちの今受けている『試験』に関係するの。」
試験監督の姿はなく声だけが頭蓋の中に反響する
「条件」
「発見」
「仲間」
「石人形」
「回収」
「記憶の欠片」
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