めぐりめぐる

輪廻転生ものです。

巡り巡る君を辿る


高杉が死んだ。
その知らせを聞いたのは8月10日。奇しくも高杉の誕生日であった。暫く呆然としていると、空気を読んだのか、又はこの空気に耐えられなくなったのか皆よろず屋を出て行った。
思えば、雲の様な奴だった。風に流されてゆらりゆらりと消えてしまいそうな、そんな奴であった。
雲は風に流されどこかへ消える。
そんな、当たり前の事が見えなくなるほど現状に浸っていた自分に、酷く嫌気がさした。
高杉。愛してる。そんな言葉はもう君に届かずに彷徨った。

なあ銀時。お前は、俺が死んだら泣いてくれるか。
ははっ、なに言ってんの晋ちゃん。
…は。冗談さね。忘れてくれ。

今思うと、あれは高杉の希望だったのかもしれない。
君に触れ、君を抱き、温もりや呼吸を感じ、二人の愛の答えを知り手にしたと信じてた。
だけど今、君の中の苦しみや悲しみに触れてしまった。気づいてしまった。

俺はそれを、恐れてたんだ。

嗚呼、きっと今の俺には涙を流すことすら君は許さないだろう。
俺は君のいないこの世界を生き続けるよ。そしていつかまた出会えたらその時は…


高杉ぃ!一緒に帰ろうぜ!
うるせーよ銀時。こっちのクラスくんなっていつも言ってんだろ。

そういいながらもマフラーと鞄を手に取る君の顔は嬉しそうで、

なぁ銀時。お前は俺が死んだら泣いてくれるか?
…。なに言ってんの晋ちゃん。俺はお前と一緒に生きたいよ。
ふっ、ははは。
なに笑ってんの晋ちゃん!真面目に答えたのに!


この空の下でふたりゆらりゆらりまた風に吹かれ身を寄せ合ってく。

めぐりめぐる

ポルノ/グラフィ/ティさんのRO/LLは銀高ソングだと思っております。

めぐりめぐる

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-01-15

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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