いつかの話
「いつか何もかもを愛せますように」
昔々、そんなことをどこかで書いた気がするのだけど、
その「いつか」がいつくるかなんてわからない。
誰か話を聞いてよ。ここはとても寒いんだ。
雨は降るし、空は見えないし、ひとりぼっちだし、
それは年中何も見ようとしない僕のせいでもあって、
だから。
しあわせってなんだったんだろう。
そばにいること?無難に毎日が過ぎること?
音楽を聴くこと?好きなものがあること?
お金に不自由しないこと?
見えないものを僕らは求める。見えないのにどうしてまだ求めてる?
知らないよ。見えないものはわからない。
あのひとが僕を拾ったときも、頭はひどく冷静だった。
好きとか嫌いとか、愛してるとか憎むとか。
口に出すたび安っぽくなってく。
例えば僕があのひとに今、それらしき言葉をぶつけたとしても
次の日もその次の日も、いつもと同じに笑ってくれるかどうか。
それは確かじゃない。怖い。
強くなりたいんだ。いつか、いつかって、
繰り返し祈らなくてもいいくらいに。
いつかの話