廃人部部活動記録

始めに

ここは私立浜櫻学園、基本的に自由的な学校である。
そのため意味不明な部活動が盛んである。
そして、そのなかに「廃人部」という、部活動が存在する。
他の生徒からは「廃部」と言われている。勝手に部活を無くすのはやめてほしいといつも思うがとりあえず存在している。
部員数3人、ギリギリの人数である。
何をするかはこれから綴っていくとして、今はメンバー紹介をしよう。

部長の潮川雄大(しおかわ ゆうだい)、学校で一番馬鹿な生徒として有名で人と関わることを全面的に拒否している。廃人能力は「完全記憶能力」である。一回読んだ漫画、小説、コミックの内容を完璧に記憶することができる。その能力を勉強に使えばいいのにといつも思う。

次に俺こと、田熊凌悟(たくま りょうご)、自分でいうのはなんだが天才的に数学ができる。まぁ、それ以外は部長と大して変わらない。廃人能力は「全話視聴能力」である。どんな時間でもアニメを見ることに使い、一日あれば、一つのアニメを一期、二期の全話を見ることができる。

後一人は高松最恵(たかまつ もえ)、一番の問題児である。頭はいいのに、まさかの可愛い男子好きである、しかも二次元限定で。廃人能力は「男子天使能力」である。説明したくないが…可愛い男子を見るとキャラ崩壊してしまうのである。キャラ崩壊したらたいへんである。

この3人が所属する部活には今言ったように「廃人能力」がある。っと言ってもただ自分たちで作っただけである。あったからと言って生活が変わるわけはない。そして、3人の共通点は「友達がいない」ことである。とあるアニメをパクった訳ではなく、本気でいない。まぁ、廃人部の活躍?内容?事件をこれから綴っていくことにしよう

一日目

今日は、廃人部を設立した。
はずだったが、部長は小説を読んでいるし、俺はアニメを見ている。
あと一人は…う、うん…見なかったことにしよう。まぁ、高松は設立そうそう暴走している。
「ねぇ、はぁはぁ、なんかしようよ」
と高松が言う、途中の「はぁはぁ」はなんだったんだと思いながら、俺は…
「なにするの?」
とやる気がない声で言う。高松は鞄からなにやら機械を取りだし始めた。
「高松、それは何だ?」
と部長が少し気になりながら言う。高松は「よくぞ聞いてくださった!」という顔でいう。
「私の作ったゲームでぇす!」
高松は天才的な頭脳を持っているが、まさかゲームを作るとは思わなかった。気のせいか、嫌な予感もしてきた。
「やろうじゃないか!」
部長はやる気満々の様子だった。俺はアニメが見たいが二人の視線が異常なほど怖い。
「…や、やります…はぁ…」
しょうがなく、参加することにした。さっさと負けてアニメ見ようかなと考えていた俺だったがこの考えを見事にうち壊す発言が部長の口から言い渡された。
「負けた奴は罰ゲームにしよう」
終わった。部長、俺の考えを読んでいたのかと、もしや読心術でもあるのかと頭の中で考えていたが、負けること出来なくなった俺であった。
「じゃあ、負けたら一枚ずつ服を脱ぐことにしようよ!」
高松、やめろ!その罰ゲームは一番まずい奴だって!と怖くて口には出せなかったが心の中で訴えていた。ま、まぁ、部長がとめて…
「そうするか、いいよな田熊?」
駄目だ、断ったら殺される。この状況でおかしいと思っているのは俺だけか!?っていうか高松は女子だろ?羞恥心の欠片もねぇーじゃねぇーか!とはいえず
「…それでいいです…」


ゲームの結果は……
部長と高松が一位、俺が全敗で最下位だった。
俺はパンツ一丁になっていた。しかも少なくとも女子の前で…

部活動一日目は俺の黒歴史の1ページに加わることになった。
普通の帰宅部が良かったと初日から後悔している。

二日目

今日は、新しい部員が増えた。
名前は清水舞桜(しみず まお)と言い、なんでこんなところにいるか知らないが清水財閥の御曹司らしい。だが、好きなアニメの関連品は全てと言っていいほど持っているらしい。だが、この本心を隠しながら学校生活を送ってきたらしく、自分を受け入れてくれる場所をやっと見つけてとても嬉しいようだった。まぁ一応、廃人能力は「絶対収集能力」と言っておこう。あと、そこそこ馬鹿である。 

「私、清水舞桜と言います。これからよろしくお願いいたしますわ」
礼儀正しいのは、やはり清水財閥の御曹司だからだろう。
「部長の潮川雄大だ。これからよろしく」
小説を読みながら、言っていた。うん…流石部長だな。清水さんと全くと言っていいほど違う。 
「はぁはぁ、高松最恵でぇす!この漫画の男の子可愛くない?」
いろいろツッコミたいが止めておこう。
「俺は田熊凌悟な、よろしく…」
友達がいないとは言え、やはり同じような趣味?の奴等なら自然と喋れる。

「今日は何をすんの?」
ボクは昨日見ていたアニメが終わり見たいアニメがなくなったため、暇を潰すために積極的に言ってみる。 
「じゃあ、ゲームするでぇすか?」
絶対にいやだ!と言うより怖いよ!!いじめだろ!
「それはいやだ!」
今日ははっきり言わないとまた黒歴史を増やしてしまう。それは絶対に駄目だ。
「じょあ、お食事はどうですか?」
清水さんが案をだす。それしか、逃げ場がない俺は賛成する以外に選択コマンドがなかった。
「じゃあ、そうしようか!高松と部長もいいよな?」
なんとか、暇を潰せて安全なことをしたい!
「いいんじゃいかな」
高松は賛成する。部長は小説をしまい、
「少しお腹が空いたしやるか」
と言った。心の中で「清水さんナイス!」と叫んでいた自分が少し恐ろしくもなったがまぁ、大丈夫だろう。
でも、すぐに準備はできないため、今日はとりあえずお開きとなり、明日になった。

今日は清水さんのお陰で黒歴史が増えなくてすんだ

三日目

今日は予定どうり、お食事会である。
まぁ、料理なんてめんどくせぇーし、時間がもったいないからコンビニでポテチとコーラを買っていった。
「こんなんでいいよな」
俺は部室に入るやいなや買って来たものを見せる。だが、目の前の机には、一生涯食べることはないと思っていた高級そうなケーキがあった。それにいかにも危ない泥のような物体と家庭的なお菓子もあった。誰が持ってきたかを頭の中で結びつける。

高級そうなケーキは清水さん
危ない泥のような物体は高松
家庭的なお菓子は部長

となった。絶対正解だろと思った俺だったが、神様は何を考えているのだろうか?
性格とかで考えてくれればいいのに、こんなにてきとうに料理の腕を決めるなんて馬鹿じゃないのかな?と神様に投げ掛ける。
正解は…

高級そうなケーキは部長
危ない泥のような物体は清水さん
家庭的なお菓子は高松

絶対に嘘だろ!?
え!?清水さんのまず食べれるの?ってか材料を教えてほしいよ!
あと、部長どうやって作ったの?ってか男子だよね!?
高松は、問題児のくせになんで、いたって普通なんだ?
「田熊くん、これ食べてください」
清水さんが笑顔でころ…食べさせてくれた。うん、体の力が一変に抜ける。

今日の部活動は記憶がほとんどないからまとめられない

あれ?俺は清水さんの謎の物体を食べて…

ふと、前を見ると俺は昔懐かしい中学校にいた。
「明日どうする?」
中学生の時のもう一人の俺が言っていた。
「遊びに行こうぜ」 
友達がいる………
 
俺は中学生の時は友達がいた。と言うよりこんな性格ではなかった。
班長をしたり、クラスの学級委員、三年生の時には生徒会副会長までした。
誰からも頼りにされ、教師からの信頼も厚く、充実した生活をしていた。
それに平行してアニメを見るのも好きだった。だが、なんでも頼られる生活が苦痛に思えて来た俺は、ストレスを発散するために前よりもずっと、アニメに没頭した。
そのうち、学力は落ち、提出物はアニメを見ている時間で出来ず出せなくなった。

「信頼」の二文字はわずか一ヶ月で消えた。

信頼されず、毎日怒られる。ストレスが溜まり、さらにアニメを見る。最悪の循環である。そして、友達は目の前から消えた。俺は最高位から一変に最下位に下がった。
その時、俺よりも馬鹿な奴が言ったんだ。
「お前、馬鹿だな」
ムカついたが何故か、ストレスにはならなかった。自分が馬鹿だと言うことを認めてしまったからであった。

「馬鹿なら馬鹿みたいに楽しく生きようと思えたんだ」

六日目

俺は目が覚めた。だが、あの時の馬鹿な奴が誰だったか思い出せなかった。
まぁ、今は馬鹿みたいに楽しく生きようか……そう誓ったんだ。

だが俺は二日間意識がなかったらしく、六日目から書くことにする。
今日は何にも無い、平凡な日常でした。
まぁ、俺にとっては非日常であった。 
アニメも見ず、必死に勉強をしていた。

もうすぐ中間テストであったからだ。

思うんだが、あれは紙の無駄遣いだと思う。
地球温暖化が進んでいる今の地球でもっと資源を大切にしないといけないと思うんだが、と馬鹿が言う言い訳を自分に聞かせていた。
そうでもしないと、周りに負けそうだったからである。部長は普通に小説を読んでいるし、高松は意味不明だし、清水さんは、殺人兵器を作る準備をしている。

だが、今日はすぐに終わった。何も起きず、黒歴史にもならず。
じゃあ、まとめとして、俺達は少しは日常的な生活が送れる。と言うことでまとめようか。
明日が怖いけど…

七日目

予想的中であった。
今日は昨日の仕返しかのように俺達の日常であった。
部長はいつものように小説を読む。一番の酷い成績のわりに勉強をしようと思ってもない。
清水さんは殺人兵器を完成させ、部室の机の上に設置する。臭いからして駄目だろ。
高松は、パソコンを見ながら、息切れしている。うん、嫌な予感しかしない。

「ねぇ、ゲームしない?はぁはぁ」
高松が、悪魔に見えてきた。というか、オープニング画面からしてギャルゲーだよな!?どこに、対戦できる機能があるんだ!
「じゃあ、ケーキを食べたあとにしませんか?」
清水さんから殺人発言が言い渡された。ゲームかケーキ、どっちも危険すぎる。

その後、俺は悪魔にギャルゲーをさせられた。しかも、どうやってもフラれる。
酷い終わりかたで、なんか自殺したし、あとは地球滅亡とかいろんなイベント?が、あった。いままでやったゲームで一番ひどかった。と思ったが殺人兵器によってまた三途の川に行った。部長は俺を見て、ずっと笑いをこらえていた。

まとめとして、この部活、怖い

廃人部部活動記録

廃人部部活動記録

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-01-13

Copyrighted
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Copyrighted
  1. 始めに
  2. 一日目
  3. 二日目
  4. 三日目
  5. 六日目
  6. 七日目