数学戦争

ここは数学を司る世界「アイネミリオーネ」
そして、この世界に住む民は体内に特殊な能力を持って生まれる。その能力のことを人は「神数学(カリキュラム)」と呼んだ。神数学には(アディー)(スブトラック)(マルティー)(ディビズン)の四属性が存在する。そして、ここに住む民は法律上の戦争を行っていた。 


「えへへ、遊ぼうよ!」
ん?君は誰?ボクは……
「もう、ボクだよ?」
わからない……君は誰なの?
「ボクはフュンフだよ、えへへ」
フュンフ――
 

――起きて!起ーきーて!
ボクは謎の揺れと謎の声で目を覚ました……
そして窓から差し込んでくる光を自分の左手で隠した。
「あっ、起きた!」
眩しかった光も慣れた頃に揺らしていた謎の声の犯人が分かった。「フィア・ クアトロ」ボクの幼馴染みだ。なぜ幼馴染みがボクの睡眠時間を邪魔しているかというと、ボクの両親は戦争で命を落とし、兄弟のいないボクはしょうがなく昔から仲がよかったフィアの家である「クアトロ家」に引き取られることになったからである。起こしてくれたのはいいが………
「…もう少し…寝させて…」
ボクはもう一度目を閉じ眠ろうとした……
「だめ!!起きて、アインツ!!アインツ・ウノ!!」
前よりもはるかに強い揺れが僕の体を襲う。
朝から吐きそうだ……
もうこれ以上気持ち悪くなるのはゴメンだから起きることにしたが寝起きだからかさっき揺れかは分からないがクラクラする。ついで体がダルい……

「も、もしかして!?お前、能力つかったか!?」
ボクは慌てて聞く。そしたらフィアは真顔で…
「使ったよ」
と言った。少し怖かったためボクはこれ以上聞くのはやめた。
フィアの能力は 減属性吸収(アブソープション)といい、相手の体力を吸い上げる能力である。だから、ボクの体力が減りダルかったりクラクラするのである。神数学はどんな人でも持っているがそれを使いこなせるかは別の問題になる。ボクは使いこなせない…と言うか使えない…

「……特訓、めんどくせぇーな……」
ボクは目を擦りながらフィアと一緒に台所へ歩く。
そうすると…
「私達、もうすぐ15歳なんだよ!」
とフィアが少し怒りぎみに言う。理由は簡単である。この世界の戦争と言うのは4人~10人で構成されたチームで能力を使い戦うと言うものである。参加するのは15歳~25歳である。そして、強いチームごとに報酬が配布される。逆に弱ければ、貧しい生活や酷ければ死ぬことだってある。ボクの両親は共に弱かったため、亡くなったと聞いている。ボクは絶対に強くなる。
「スマン、スマン、冗談だよ」
これ以上、機嫌を損ねるのは危険だと思った、僕であった。

数学戦争

数学戦争

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-01-12

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