flow
小川を赤い花びらが流れている。
いつもの散歩道の途中、川の水は流れ去って戻ってくることはない、とは一見、実は長い時間をかけ、海に出、雲としてのぼり、雨として降り 戻ってくるのだという。まったく良く出来ている。そのシステム全体が大きすぎるから、川の水は流れ去ってもう戻ってくることはないなんて、昔から変わらない定説のように聞こえてくる。目で見るものはそうそう信じちゃいけないのだな、なんて考える。ただ見て感じて、それに言葉を与えず。あの花びらだって戻ってくるかもしれない。形を変えて。
寒い寒いと手を合わせる。こたつが待ち遠しい。
花びらの循環すら見えない私には、来て流れ去る自分の生などしっかり見えるはずもない。あるいは長すぎ、あるいは短すぎるそれは、どこかで時によって変わらないモノが見て、それを知っているのだと、信じるしかない。
年の始めに語るとすれば、寒いのもまた良しと、そう見ている自分と、いつかそう見ていた、時もあっという間に過ぎると、そう笑って言う自分に向けて。
帰って風呂でも入ろうかと。
flow