偶然を愛してるんで。
はじめまして。
結音 夕です。
今回がデビュー作の「偶然を愛してるんで。」の1話となっています。
恋愛小説です。
~きょーみ、ない~ 一話
季節は冬。
窓ガラスが少し曇って、外との温度差をあらわしている。
新年を向かえ、1ヶ月と1週間とほんのちょっとすぎたころ・・・だろうか。
なんとなく分かりにくくなってしまったが、今は2月の1週目。
気が早いなぁと私はいつも思うのだが、このころの女子たちの話題といえば決まっている。
「ねぇ、ひなはバレンタインどうするのー?」
ほら、予想的中。
興味がないのがばれない程度に空返事しておく。
ーわかんないのかなぁ・・・。
バレンタインは、どこかのお菓子メーカーの戦略で
運命なんてものは、偶然を都合よく脳内変換しただけ。
だったら、恋は・・・なんてことを考えると眠くなり次の授業に支障が出るからやめとこう。
いや、別にもてないわけじゃない。
毎日3通くらいは下駄箱に手紙が入ってる。 これは逆にもてているほうではないんだろうか。
それに、かっこいい人がいないわけじゃない。
かっこいいって思う人はいるし、でもそれ以上の感覚は体験したことが無い。
あれ・・・。 これって・・・。
いまさらながらに、私は14年の人生の中で一度も恋をしたことがないことに気づいた。
まぁ、今まで気づかないってことはそこまで重要じゃないか・・・。
今年も私とは無関係なバレンタインデー。
ま、それも14年目・・・。
お菓子メーカーの戦略にかかるぐらいなら、その日はテニスに行こう。
きっと、コートもあいてるはずだ。
ここからだった。
わたしの偶然が始まったのは。
偶然を愛してるんで。
まったく恋愛に興味が無い女の子の話でしたね。
お楽しみいただけたでしょうか・・・?
次も会えればいーなと思ってます。