■ Neo Border 011 [ Version 3.0 ]
北欧神話を知っていますか?
オーディン、ワルキューレ、ラグナロク・・・。
モバイルやデジタルネットワークに飛び交っているこれらの言葉は全て北欧神話の中にあります。
ゼウス、カオス、オリンポスなどでメジャーなギリシャ神話にかわり、
なぜ今ここに来て北欧神話なのか?
その答えの手がかりを、ここでお話しましょう
時を少し戻し”Ragnarok Crisis・ラグナロククライシス(ネットパニック)“の数週間前。
Markは今や名誉だけもらったメンバーの一人でしかない。
Johnからもらった “MSSS(Medical Support Security System)” “TFS(Tutelary Fairy System)”搭載モバイルはとても有能で、何度も危険を察知し、最善へと導き命を守ってくれた。またストーカー、危険人物にも出来るだけ会わないですみ、 “GVR Revolution(GVR革命)”以来自由な放浪を1年以上も続けている
秋初め、彼はここスイスに居た。
あちこちのワインフェスティバルを訪ねては各フィールドの識者との交流や美味しいワインを飲み歩いていたが、フェスティバルシーズンも終盤に入った9月の終わりに不思議な少女と出会った。
その夜いつものようにこの地方の知人や、街の人、旅行者たちとお祭り騒ぎの中、横に座ってきた隣街に住むという成年が、もっと旅の話が聞きたいから自宅に泊まるよう頼んできた。回りの人たちもその成年を知っているようで、話しを聞かせてやってくれと言う。そこまで言うならとお邪魔することにした。手首に巻いた細いブレスレットもセイフティを示す。
決して秘蔵のワインに引かれたわけではない。
店を出て成年に案内されながら歩いているとふと成年の姿が無い。
周りを探すと暗がりからフェスティバルの衣装をまとった少女がゆっくりと現れた。
そしてまるで大人のような口ぶりで
「今年のワインも格別においしくできましたが、来年もまた格別のワインを飲んでいただけるよう
今からお話しすることを出来るだけ早く実行してください。
広がった夢が流れ出さないように、ひとまず楔を打ちつけておいたほうがいいでしょう。
夢もみなさんの手が届かない所で迷子になれば、狼の餌食となり、その味をしめた狼は群れを成してやってきます」
後ろの、まだにぎやかな路地から成年が 「こっちですよー」
手を上げて答え振り返ると既に誰もいなかった
成年の家では、夜も遅かったが家族がとても暖かく迎え入れてくれた。
リビングで秘蔵のワインを頂きながらいろいろな国の話をした。成年は目を輝かせながら聞いていた。
時折「ならば、Markさんは“地球の悲鳴“や”人類の悲鳴”という世界的悲劇の中にあって“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”はどうあるべきだと思いますか?」
「それは“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”の総意を持って自ずと導かれるものであって、仮にも今の私の立場では何も言えないよ。
ただ、心を持った人類にとっての新しい、そして最後の国家群として世界樹のように凛とあってほしいとは思っているんだ」
そんなちょっと難しい話もはいったが、成年の真剣なまなざしに、心高ぶるものを感じながら夜が更けていった。
次の日の朝、一家総出で見送ってくれた。昨晩は夜も遅かったため出会えなかった娘さんも中央で微笑んでいた。
・・・・・なんとなく似ている
「また来年お会いしましょう」
「是非に!楽しみにしています」
笑顔で歩き出したMarkに一瞬冷たい風がふきぬけ、ふと、少女の言葉が脳裏に浮かび上がってきた。
「あぁ、俺たちの夢?そう、夢は・・・」
■ Neo Border 011 [ Version 3.0 ]
Hi everyone!
Welcome to the Neo Border World
”Neo Border”(ネオボーダー)は、近未来の世界を描いた作品です。
"北欧神話(Norse mythology)"で知られている
<Odin オーディン>
<Loki ロキ>
<Thor ソー>
<Ragnarok ラグナロク>などが出てきます。
でも"マイティ・ソー(The Mighty Thor)"ほどエキサイティングじゃなく、
どちらかといえば"マトリックス(The Matrix)"や、
"攻殻機動隊(Ghost in the shell)"みたいな展開へとむかっていきます。
お楽しみいただければ幸いです
I want to make English translation of the "Neo Border" sometime ;p