her her hey

母へ贈る詩。
どうにも届かない吐瀉物。

しのへ

人生初めの悲しみは
あなたに抱かれたことでした
今の気持ちは全てそこから
僕の居場所は全てそこから

あなたがいた証なら
他人からちゃんと受け取ったよ
あなたが遺した名前すら
ついに授かることはなかったね

昨日を生きた記憶さえ
あなたの中にはないんだって
酷く間違った僕にすら
積み上げてきたものがあるのに

なんでもいいんだよ
あなたがいたならただそれだけで
なんでもないんだよ
ホントにあなたがいたってんなら

外れた世界の彼方から
呼ぶ声など聞こえないんだね
そこからもし呼んでいるのなら
あの時手を繋いで欲しかったよ
握り返して笑ったり
歳食ってほら嫌がったり
なんでもないことが確かに
あゝ
ないんだよ

人生最後の喜びは
あなたに抱かれたことでした
今の基盤は全てそこから
今の世界は全てそこから

あの時私に何を託しましたか
あの時私に何を言いましたか
あの時私に何を伝えましたか
あの時私に何を授けましたか

受け止めていられてますか

her her hey

ちょっと前に書いたやつ

her her hey

単純に想ったこと

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-01-02

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