鑑賞記録-映画「ワイルド・アット・ハート」より
1990年、デヴィット・リンチ監督。ニコラス・ケイジ、ローラ・ダーン出演。
ニコラス・ケイジはこんなにも格好よかったか、と正直驚いている。近年の彼の印象とは違う、若かりし頃のやんちゃな青年の生き様を見事に演じきっていた。ヘビ皮の上着を纏い、ナイトクラブやラストシーン車のボンネットの上にてエルヴィス・プレスリー(「ラブ・ミー・テンダー」)を熱唱する様は、たとえ同性であろうと思わず見とれてしまう程である。最高にロックでロマンチストだ。
作品はといえば、まるで博物館の展示場1階から10階を「愛の逃避行」と銘打って見学してまわっているよう。「風と共に去りぬ」もそうだが、様々な人生を彷彿とさせる良作は、山あり谷あり、七転八倒しながらもせわしなく生きる姿を丁寧に描いている。その方が喜びや感動は大きく芳醇だ。
鑑賞記録-映画「ワイルド・アット・ハート」より