■ Neo Border 005 [ Version 3.0 ]
北欧神話を知っていますか?
オーディン、ワルキューレ、ラグナロク・・・。
モバイルやデジタルネットワークに飛び交っているこれらの言葉は全て北欧神話の中にあります。
ゼウス、カオス、オリンポスなどでメジャーなギリシャ神話にかわり、
なぜ今ここに来て北欧神話なのか?
その答えの手がかりを、ここでお話しましょう
「さて、また旅に出るか」 Markはみんなの顔を見ながら言った。
するとJohnがかばんからリング、細いブレスレットと腕時計、モバイルを取り出し渡してくれた
「みんなも知っている “ASG”関連企業の“MSSS(Medical Support Security System)” [“キーワードの解説”参照してください]搭載モバイルみたいなものだ。
ただし1年前に発表され今やこのシステムで並ぶのものはいない代物とはまったく似ていないということで、私が作ったJブランド品ということがわかってもらえるだろう。
正直、昨年秋から始まった“地球の悲鳴“で、世界が少し揺らぎはじめている。
俺たちみたいな遊子(トラベラー)にはこれらは最高のお守りとなるはずだ。
それに、凡人になったとはいえ各諜報機関は一応俺たちをチェックしたいだろうが、
この中にストーカー好きがいるとは思えないしな。」
「Jブランド品って・そっくりにしか見えん」
「裏に“Jブランド”とはあるけど」
「まあ外見は “TFS(Tutelary Fairy System)”[”キーワードの解説“参照してください] の “光の妖精 Light Fairy”系モバイル に似ているが、お前のことだ、Fairyの羽よりはるかに大きな翼がかくされているのだろうな。
たしかにこの“地球の悲鳴“について、いろいろ調べてみたいこともあるし、ある地域でかなりやばいことが起こるかもしれないという話も気になっていたんだ。そうなるとこのお守りはおれにとって本当の守護神となるだろう。
まあ、お前たちも同じことを考えているんだろうが、
ただし、みんな、無理はするなよ。
おれにとってお前たちは何者にも変えられない最高の飲み仲間だ。墓地でパーティをしたいとは思わない。」
「お互いにな。いずれにしてもありがとうJohn、これでみんな自由に空を渡れる」
3人はこぶしを合わせ笑い、そしてそれぞれのドアから旅立っていった。 Good Lock
・・・Johnからのプレゼントはこの後大いに威力を発揮し、3人の命を何度と無く守ってくれることになる。
やがてこの年の秋に一年前の“地球の悲鳴“に続き、”人類の悲鳴“が始まる。一部の過激な団体や人心の不安、また情報インフラの浸透による格差への不満が地下ネットワークに拡大し、グループ化されていった組織によって国家間の対立や地域紛争などが頻発しはじめた。
この争乱により特に発展途上国の多くの非戦闘員の人命が失われていったが、この時点においては治安が確立されている先進国などには未だ“対岸の火事“の風潮が根強く存在し、火の粉を払いはするが、積極的に火事を消すことには及び腰である。
世界はつながっているはずなのだが。
■[ ”人類の悲鳴“ ]とは =======
人類による人類への直接的ダメージ
アンダーグランドに存在する
地下ネットワークも一因だが、
数多くの複合要因などが介在して発生した
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時は移り、Markは多くの情報や仲間を増やしつつ“GVR Revolution(GVR革命)” から1年後の秋にはヨーロッパを放浪中で、ここスイスに居た。
季節はワインシーズン。
わずかのオフに(いつがONでいつがOFFか定かでない生活だが)、あちこちのワインフェスティバルを訪ねては大好きなワインを飲み歩いていたが、フェスティバルも終盤に入った9月の終わりに不思議な少女と出会うことになる。
■ Neo Border 005 [ Version 3.0 ]
Hi everyone!
Welcome to the Neo Border World
”Neo Border”(ネオボーダー)は、近未来の世界を描いた作品です。
"北欧神話(Norse mythology)"で知られている
<Odin オーディン>
<Loki ロキ>
<Thor トール>
<Ragnarok ラグナロク>などが出てきます。
でも"マイティ・ソー(The Mighty Thor)"ほどエキサイティングじゃなく、
どちらかといえば"マトリックス(The Matrix)"や、
"攻殻機動隊(Ghost in the shell)"みたいな展開へとむかっていきます。
お楽しみいただければ幸いです
I want to make English translation of the "Neo Border" sometime ;p