自壊
自分とはの問に答えられずぐるぐると廻り深みにはまる
自分らしさとは何か
太陽と月が僕ではない何かを中心に廻る
等速的に進む世界は僕の歩みでは追いつけず
先を往く者の背は遠く離れ
後を追う者の影は僕に重なることなく過ぎ去っていく
追いつきもせず追いつかれもせず
立ち止まることも許されずあてもなく歩みを進める
いつしか空は青を失いモノクロに変わる
遥か遠くに浮かぶ星を自分に喩え
すぐそばにも似たような星がいくつもあるじゃないかと手を伸ばせば
そう見えるだけで実は一生かけても届かない所にあるのだと悟る
雨が降り足元に咲く花を叩く
幾度も叩かれ花は散る
瞬く間もなく散る
誰にも気づかれず落ちた花びらは
不意に吹く風にさらわれる
飾りのない花は花と呼ばれず
そこに存在する
存在するだけ
以前のように美しいなどの賞賛の雨は降らず
枯れていくのを待つのみ
僕と同じだ
好かれたいの一心で着込んでいた服は
すでに他人の目にはイコールでつながっていた
服が重いと脱いでしまえば誰だお前と
無視をされる
正解が正解ではない
間違いが間違いではない
では本当の自分とはなんなのだ
わからない
他人の目に止まるような小奇麗な服を着た自分
他人の目に止まらない汚らしい服を着た自分
わからない
分からぬまま僕は歩みだす
歩みだした足の下には花と呼ばれない花がある
自壊
環境に合わせた自分を客観的に見ると嘘をついているような罪悪感を感じまして。