ライクアピアニシモ
恋は一種、旋律のように語られている
はるかな海のようにも。
わたしの恋はライクアピアニシモであった
ただ静かに
荒波を立てることなく、静かに息をしているだけで
まるで生きていない恋だった。
キスの一瞬、抱擁の一瞬
眠った一瞬
あたりまえの一瞬が降り積もっていく。
でもそれはほんとうに儚くて
今となっては思い出、イコールたくさんの一瞬は、一瞬間のうちに消えてしまったのだ
鍵盤で最高音の'mi'を弾いた時のように。
あ、
そう思った瞬間、残る、恋の余韻
あなたの声に似た、あまりにも弱い音だから
耳で響いていくうちに
あぁ。
ライクアピアニシモ