キラーマシーン
薄暗い路地、空気は湿っており、辺りは静寂に包まれている。鼻腔を強く刺激する血の臭いが充満しているせいで、少し感覚がおかしい。しかし、おかしいのは感覚だけではなかった。自分の手には一本のナイフが添えられており、目の前にはおそらく男性であると思われる体躯が、冷たそうなコンクリートをベットにして寝ている。いや、死んでいる。なぜならば男の体からは大量の血が溢れんばかりに出ていたからだ。
「死んでいる……俺が…殺…した…のか?!」
俺は後ろによろめき、吐きそうになりながらもそれを必死にこらえ、ナイフをズボンの後ろポケットに入れて、その場を立ち去った。
なぜ、こんなことになったのか。それを考えるために俺は走り続けながら、今日の自分に何が起こったのかを思い出していった。
キラーマシーン