ホームパーティー

ホームパーティー

竹実 2013

ホームパーティーというものがあるらしい。
アメリカのドラマを見てるとよくある場面だが、複数人のメンバー、友達だったり、知り合いだったりする、を家に招いてみんなで飲んだり食べたりするものだ。
そんなものとは無縁な私だが、招待することはないにしても、参加するという機会に恵まれたことが1度だけあった。
叔母の知り合いの女性から、合コン的な意味合いでお誘いを受けたのだ。
もちろん、お誘いを受けなければ、関係ない人は参加できない。
この機会にどんなメンバーが来るのかチェックしてみようということで、参加してみることにした。

いま思い出したが、姉の知り合いのパーティーでホテルの1室を借り切ったパーティーに参加したことがあった。
そのときの主催者は株式ディーラーで、遊んで暮らしてる人だったので、集まったメンバーも軽い人たちが多かった。
(頭の中も軽くて財布の中身も軽い人たちのこと。)
暗い部屋でワインを飲んで、食べ物はあんまりないという惨状だったけど、貴重な体験ではあった。
姉が年齢を偽って参加していたので、姉の年のことをやたらカマをかけられたのを覚えている。実は若くないのでは?みたいな(笑)。
ちなみに私と姉は14歳離れている。

ホームパーティーに戻るが、パーティーといえばそんな惨状だったので、事前印象は悪かった。
たいして期待しないで普段着で参加したら、メンバーがすごくおしゃれをしていて、思わず笑ってしまった。
気合い入りすぎだろ、たかが恋愛目当てで。
世の中の人はおもしろいなと思った。
客観的に見ると、時としておもしろく感じることはままあることだ。

まず、世田谷の閑静な住宅街のとある一軒家を訪れる。
新築だ。
少なくとも10年は経っていないだろう。
とても綺麗な大きな家だった。
家主の手前、直接けなすことはできないにしても、まあまあの家だった。
もっと大きくて素敵な家はいくらでもあるから、その中ではという意味。
ホームパーティーってこういうところも見られるんだなと改めて思う。

会費を3千円くらい払って中へ。
当然ながらあらかじめ電話で予約はしている。
自己紹介をしつつ、家主の旦那さんに挨拶。
けっこうカッコのいいご主人で、子どもはいなくて保険の外交員をしているという話。
外交員じゃなくて、部長とか役職もってる感じかもしれない。
年齢は40代前半という感じ。
奥さんは気が強そうな人で、性格は悪い。(後でわかったことだが。)
見た目はかわいい感じだけど…て感じ。

こういうホームパーティーって家主の人と成りがずばっとわかってしまうものなのだね。
奥さんの話を聞いていたらとてもじゃないが、その場にいるのが嫌になるくらい。
不満たらたら、嫉妬はすごいし、旦那の母親の世話が大変とか、まあ、すごかった。
それに対して、旦那さんの話はおもしろく、感じがよかった。
あれじゃ、大変だろうなーだんなさん、と思ってはいたが、まさか、その数年後には二人は離婚したとのこと。
なんか笑っちゃうよね。
あの家どうしたのかな。
ローンが残ってただろうに。

ホームパーティー自体は食べ物はまあまあ、飲み物は普通で良くも悪くもなかったよ。
私は飲めないから無理に飲んでたけど、観察することは忘れてなかったね。
自分で言うのもなんだけど、さすが生まれながらの観察者だなと思う。

途中、変な男の人が乱入してきてさっさと帰って行ったけど、あの人以外は感じ良かったよ。参加者メンバー全員。よそよそしい他人て感じで。よかった。
全員とは話してないけど、自己中の人はその乱入男くらいだったかな。
その人、うちの姉と喧嘩してて笑えた。
変な人って必ずどこかにいるもんだね。

参加する方は気楽だけど、招待する方はかなり気を付けてないと、かなりの確率で見破られてるから、ホームパーティーって人間観察の場としてはおもしろいと思う。

ホームパーティー

ホームパーティー

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-12-24

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted