闇ノ華,光ノ影

 血色に彩られた毎日が黒く染まっていく
 濃い闇に支配された世界で,少女は駈け抜けた。
 生き残るのが前提の闇の世界は,たった14の少女が過ごすには途轍もなく過酷なモノだった。
少女に課せられたのは,遠回しに言えば【裏の仕事】平たく言えば【暗殺者】。歴史に不必要と見なされた人物を,その家系を誰にも気づかれずに消していく,そんな役割。
 思えば,もうこの少女…狂月 澪(キョウヅキ レイ)は壊れていたのだろう。
 幼い頃から暗殺用の殺戮機械として育てられた彼女は,人が生きる上で最も大切な部分が欠落していた。
 それは,「同情」「愛」「やさしさ」などと言った,ありふれた暖かい感情だけではない「悲しみ」「苦しみ」「痛み」といった,不の感情も含め全てが存在しないのだ。

闇ノ華,光ノ影

闇ノ華,光ノ影

影の世界に溺れてきた少女は華に憧れた 光の世界しか知らなかった少女は影の世界に沈んでいった 「生き残るために」 「世界を知るために」 相反する世界が混じるとき,過去の「約束」が動き出す―――

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-12-20

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