生きると言う名の罰
生きるということは罰である。
生を疎み、死を欲する者への罰。
故に、生は与えられたその時から罪である訳ではない。
人は思考を持つ。
思考は様々な文明を発展させ、ある時、死の概念をこの世に生み出した。
死とは未知の領域だ。生ける者は誰もその実態を知ることは叶わない。
故に、死は生者を虜にした。
生者であるが故に死というモノに惹かれ、己が死を願う。
すると、それまで普遍的であった生は毒となった。
望むものは生の先にあり、まわりの世界が色褪せていく。
生きるという意味を見出せなくなる。
己が終焉を。全ての終焉を願った。それが私の罪だ。
ならば私は生き続けねばならない。
私に課せられた罰を全うするために。
最期の時に、私の人生も、世界も、この戯言も。
「全てが無意味だった!」と一笑に付すために。
生きると言う名の罰