【艦これ】高雄姉妹ウラこれくしょん

【艦これ】高雄姉妹ウラこれくしょん

【艦これ】高雄姉妹ウラこれくしょん 序章:任務【はじめての着任! 艦隊の指揮に入られよ!】

 提督――それは艦隊の司令官である。
 艦隊――それは複数の軍艦で編成された海軍の部隊である。

 数ヶ月前のことである。
 異例の若さで提督に抜擢された俺は、正直不安だらけであった。
 提督なんていうとんでもないポストに就くということは、もはや同僚と呼べるような人間はいないだろうし、俺の部下となる人間は俺なんかよりも超先輩で超優秀な超軍人だろう。
 俺からすれば雲の上の上の上の神様仏様みたいな方々を、こともあろうに部下として扱うなんて……ああ、考えただけで胃が痛い。
 どんだけムチャぶりだよ……あまりにもムチャすぎて、肛門からブリッと胃が出てきそうだよ……
 と、思っていた。
 だが、現実はまるで違っていた。
 まさか全く違う意味で胃が痛くなるような事態が待ち受けていようとは……

 着任初日。
 司令官の軍服を着込んだ俺は、まるで孫がいたずらでおじいちゃんの軍服を着ちゃったみたいな、完全に服に負けてしまっているお子ちゃま状態。
 はっきりいって似合わない。
 それでも俺は仰々しい軍服を着込んで、遠路はるばる、とある港へとやってきた。
 そこは秘密裏に作られた、超重要秘密を扱っている港であるらしい。
 そのためこの港に関する情報はまるで聞かされていないし、そもそもこんな港が存在していること自体、俺は知らなかった。

「鎮守府第二基地って……ここでいいんだよな?」

 一応、貰った地図どおりに来たつもりだ。
 とはいえ、地図には駅から徒歩3時間としか書かれていないし、駅からまっすぐ線が描かれていて、その終点にココって丸印がつけられているだけだ。
 もはや地図とは言えない代物だ。
 というか、徒歩3時間とは何事か……そんなに遠いのなら、移動手段を用意してもらいたかった。

「似合わない軍服着ながら、たっぷりボリューミーな荷物を持ちながら、3時間という長旅をこなすというのは……はっはっはっ、嫌がらせか?」

 俺は盛大なひとりごとを言いながら、一枚の写真を取り出す。
 この写真は極秘である鎮守府第二基地に関する、唯一の資料だ。
 写真には茶色のブレザーに身を包む少女が映っている。
 かなりかわいい、間違いなく美少女だ。
 しかし俺が注目しているのはカワイイ少女ではなく、少女が身につけているモノだ。
 少女はひどく物々しい金属の塊のような武器、むしろ兵器というべきだろうか、とにかく少女は物騒すぎるモノを着装していたのである。
 そんなかわいいのか物騒なのか、なんだかよくわからない少女が、少し前屈みになって、こちらにピースしてウィンクしているのである。
 そして胸のあたりに矢印が引っ張ってあって、“ココに注目!!”と書かれていた。

「そんなご丁寧に注目だなんて書かなくても、見ますがな。見ちゃうがな。俺、男の子だもん!」

 俺は写真を見つめながら、派手にひとりごとを話す。
 この写真の少女は、どう見てもわざと胸の谷間を見せつけている。

「なんていい娘なんだ!」

 胸の谷間なんて、絶対に見ちゃうがな。
 注目の的でんがな。
 ガン見しまくって、写真に大穴あけたりますわ!

「ッて、そもそもなんなんだ、この写真。萌ミリタリーって奴なのか? こんなん渡されても、何が何だか……いや、嫌いじゃないけども、こういうの。むしろ好きです。大好物だお! 正直この写真、もっと欲しいお!」

 俺は写真の女の子を、特に胸をガン見しつつ、これからどしようか途方に暮れている。
 基地に着いたのはいいが、出迎えらしいものもなく、誰かに聞こうにも周囲には誰もいない。
 とりあえずそれらしい建物の、それらしい入口を見つけたので、扉をノックしてみる。

「すいませーん、今日からお世話になる提督ですけどー」

 返事が無い。
 お留守かな? ……そんなわけない。
 俺は溜息をつきながらそっと扉を開く。
 鍵が閉まっていない、極秘裏なくせにずいぶんと不用心だなあ。

「……おじゃましまーす」

 おそるおそる中へと入ると、突然声を掛けられた。

「提督ッ! おはようございますぅ!」

「んひゃあ!! え!? 提督?! そんなに偉い人がいるの!? どこどこ? どこにいるの? って、提督は俺かぁ!!」

 すっかりパニックになっている俺を、目の前にいる少女が不思議そうに見つめている。
 歳の頃は……どう見ても小学生だが……この少女も写真の少女と同様、金属の塊みたいな兵器を身につけている。

「提督? どうされましたかぁ? ぼんやりしてないで、司令官室にいきましょうよぉ!」

 俺は少女に背中を押され、司令官室とやらに連れて行かれた。

「さッ、今日も一日がんばりましょうねッ! では、さっそくご命令を、提督ッ!」

 なにがなんだかわからないままに、俺は司令官室に通され、司令官の椅子に座らされた。
 そして少女は目をキラキラさせて、いまかいまかと俺の命令を待っている。

「えーと、あー、命令? いきなり命令とか言われてもなあ、逆に誰か俺に命令してくんないかなあ……あの、何していいのかわかんないんですけど」

 俺は困り果てた顔をしながら髪を掻きむしる。
 そして目の前にいる少女をまじまじと見つめる。

「?? なんだろう、不思議な格好をしているなあ。機械的というか、それなのに妙に女の子らしい服装をしているというか……っていうか女の子? なんで女の子? ここ、海軍だろ? 海軍基地だろ? そういう場所って女人禁制くらいな勢いがあってもおかしくないと思うんだけどなあ……ああ、わけがわからん……」

 俺は少女を見つめながらぶつぶつと呟き、完全フリーズしてしまう。

「提督? どうしましたですか、提督? おーい、提督? あれ? 生きてるのかな?」

“がッつぅぅんッ”

 少女は手に持っている金属の塊のような装備品を、提督である俺の頭におもいきり打ちつける。
 俺の目の前で火花のような星が飛び散り、鼻の奥の方から血の匂いがした。

「いってぇぇぇッ! 何すんだよぉ! ちょっとだけ死を感じたぞ!」

「あ、提督、生きてたぁ」

 少女は俺ににっこりと笑いかけ、ぴょこんと跳ね上がる。

「さッ、ご命令をッ! 提督ぅ!」

 ――――――

 ――――

 ――

 あれから数ヵ月が経った――

 いやー、びっくりだ。
 人間って慣れるもんだなあ。
 こんなびっくりどっきりとんでも状況下で、俺はすっかり提督してる。
 艦娘達に命令を下し、敵と戦う毎日を送っている。

 着任初日、俺は何が何だかわからないまま、目の前にいる少女に命令を出した。
 とりあえずこの基地内を案内してほしいという命令を。
 そして基地を案内してもらいながら、少女が何者であるのか、そもそも俺は何をすればいいのか、何と戦うのか、少女に聞いてみた。
 正直、俺の質問に対して知りたいことの一割あるかないか程度の答えしか返ってこなかったが、それでも俺が何をすべきなのかはわかった気がする。
 そして時が経つにつれて、少しづつではあるが、少女達の存在について、我々が倒さねばならない敵について、解ってきた。
 とはいえ、いまだにわからないことだらけだ。
 俺……こんなんでいいのかなあ……こんなちゃらんぽらんで無責任な提督、この世で俺だけだろうなあ……

 さてはて、これからどうなっていくのだろうか。
 先は全く見えず!

 提督――それは艦娘の司令官である。
 艦隊――それは複数の艦娘で編成された謎の部隊である。
 艦娘――それは俺の大事な嫁……もとい、部下達である!


(任務達成)

【艦これ】高雄姉妹ウラこれくしょん 第1章:任務【「高雄」型重巡二番艦をおっぱいで撃破せよ!】

 俺は提督。
 提督ですよ、提督。
 ……提督なんだけどなあ。

 俺は司令官室で艦娘達に命令を出す日々を送っている。
 艦娘達は俺を信じて、俺が下す命令を忠実に遂行して、見事に成果を上げて帰投する。
 そして俺と艦娘達の間には血縁をも超える固い絆が生まれ、固く結ばれているのだ………………だったらいいのになあ。

 なんだろう、俺って艦娘達にとって、空気なのかなあ……
 好かれているとは思う。
 信頼もされてるんじゃないかなあ。
 だけどなんだろう、上司と部下の関係のはずなんだけど……でもなんていうか、友達感覚っていうか……いや、そういうのとも違うなあ……なんていうか、こう……

 男だと思われていない??

 なんだろうなあ……艦娘達って俺に対して恥じらいがないっていうか……むしろ艦娘同士の方が恥じらいがある気がするし……俺って嫌われてるわけじゃないんだど……好かれてる気もしないし……艦娘達は俺に興味がないのかな……そうではないと思いたいが……とにかく素っ気ないというか……とりあえずそこにいればいいんですッて言われてるような、そんな気がしてならないんだよな……俺って必要なのかな、艦娘達にとって……

 はぁ、自信なくすわぁ。

“ぐうううううぅぅぅ”

 はぁ、腹が鳴ったわぁ。

「もう昼か」

 俺は司令官室を出て、食堂へと向かう。

「あら、提督?」

 食堂の前にまでくると、愛宕が俺に気がついて声を掛けてきた。
 「高雄」型重巡二番艦、愛宕。
 さすがは重巡、と思わせる迫力あるボディ。
 それは見る者を有無も言わさずに魅了する、もはや卑怯とも言ええるほどに魅惑的な……

「おっぱい!」

「??提督??」

 愛宕はきょとんとして俺を見つめている。
 いけない、ついつい声に出してしまった。
 でもなあ、反則ですよ、愛宕のおっぱいは。
 もはや人間やめてるレベルですよ。
 素晴らしいお胸ですもの、これは。
 これはいいものだ! と、先人な偉い人も言ってたですよ。

「提督ってもしかして、お食事はここで食べていらっしゃるのですか?」

「ああ、そうだよ。俺、料理苦手だしさ。なにより美味いんだよね、ここの飯」

 俺の声が聞こえたのだろうか、食事番をしている女の子が顔を出し、俺に向かって嬉しそうに手を振る。
 食事番の女の子は給糧艦の間宮と旧知の仲らしく、料理の腕は間宮に負けず劣らずでプロ顔負けレベルである。
 俺は緩い笑顔を食事番の女の子に向けて、へらへらぁと手を振り返す。

「て・い・と・くぅ」

 あれ? いま一瞬、愛宕が怒っていたような気が……いやはや、気のせいだろう。
 鋭い殺気を感じた気がして、俺は愛宕の方に向き直る。
 しかしそこにいるのは、いつもどおりの愛宕である。

「そうだ、あとで司令官室にきてくれないか。いま改装を考えててさ、相談しようと思ってたんだ」

「本当ですか提督! うふッ、お食事が済むころにおじゃましますね」

 俺はノレンをくぐって食堂へと入っていく。

「いつもの定食お願いねー」

「はーいッ! 栄養たっぷり! 美味しさたっぷり! 大盛りたっぷり! 愛情激盛り! 奇跡のスペシャル艦隊定食ッ、いただきですぅ!」

 俺はへれへれぇとにやけながら食事番の女の子にだらしない笑顔を向ける。

“ぞくぅぅぅッ”

 背中に流れる冷たい電流。
 今度はしっかりと感じた鋭利な殺気。
 俺は目を見開いて、びくびくしながら後ろを振り返る。
 しかしそこにいるのは、にこにこと笑っているいつもどおりの愛宕である。

「気のせい……だよな?」

 愛宕はにっこりと笑ったまま、つかつかとその場をあとにした。

 ……それから一時間ほどが過ぎ、俺は司令官室に戻ってきた。

「げふぅ、喰ったなぁ、スペシャル艦隊定食」

 腹が膨れすぎて軍服からだらしなく腹がはみ出ている俺は、椅子に寄り掛かりながら腹をさすっている。

「失礼しますね、提督」

 食後のまったり雰囲気に浸かっている俺の元に、愛宕がやってきた。
 愛宕はにっこりと俺に微笑みかける。

「提督。ご相談というのは」

「そうそう、愛宕はいつも頑張ってくれてるからさ、ここらでパワーアップしてもらっちゃおうかと思ってさあ」

 愛宕の顔がパァッと輝やき、目をキラキラさせながら満面の笑みを浮かべる。

「本当ですか?! 私、強くなっちゃう! うふふっ、ありがとうございます、提督ぅ」

「げふぅッ……あ、ごめんね、愛宕。いやはや、喰い過ぎちったなこりゃ」

 輝いていた愛宕の顔が急に陰り、もやもやとした真っ黒いもやに愛宕が包まれる。

「なぁ! なになになにぃ?! どどど、どうしちゃったかな、愛宕さん!?」

 ただならぬ雰囲気の愛宕を目にし、俺はかつてない恐怖に襲われた。

「提督ぅ……そんなに美味しかったのですか? ……そんなに嬉しそうにしちゃって……そんなに好きなんですか? 食堂ちゃんが!」

「え? え?? 食堂が好きかって? 奇跡のスペシャル艦隊定食のこと? ……好きだよ、大好き」

 愛宕を包んでいるもやが更に邪悪さを増して増殖する。

「好き!? そんなに食堂ちゃんが好きなんですか?!」

「好きですけど、定食……美味しいし……」

「美味しい?! ですってぇ! 食堂ちゃんが?! 食堂ちゃんが美味しいんですか!? 食堂ちゃんを食べちゃったんですか?!」

「うん、美味しいんだよ、食堂……美味しいからさ、朝昼晩の3食、全部食堂で喰ってるんだよ……しかも毎日」

「朝昼晩!? しかも毎日?! そ、そんなに食堂ちゃんと……そんなにたくさん、食堂ちゃんのことを……」

 愛宕の背後からゴゴゴという地響きのような低音が聞こえてくる。
 愛宕と会話をすればするほど、恐ろしいほどの殺気が増していく。

「ちょ、どうしたの愛宕さん?!」

「……提督が……提督がそんな人だったなんて、思わなかったです……」

 愛宕は目を真っ赤に光らせながら、キッと俺を睨みつける。
 俺は邪神に睨まれたように動けなくなり、がたがたと震えながら愛宕を見つめる。

「不潔です、提督ぅぅぅッッッ!!!」

“どかーん”

 一瞬の出来事だった。
 愛宕は俺に向かって砲撃した。
 カァッとまぶしい光に包まれたかと思った次の瞬間、司令官室は大爆発して吹き飛んだ。

「……………………げほ」

 俺の頭は爆発アフロになり、全身がすすだらけになっている。
 軍服はぼろぼろ、部屋はもっとぼろぼろ、なにもかもがぼろぼろ……
 愛宕はくやしそうに目に涙を溜めて、ずたぼろの俺を睨みつけている。

 ――しばらくして

 優秀すぎる工員娘さん達のおかげで、なんとか元に戻った司令官室。
 その司令官室の中で、愛宕は俺に向かって何度も何度も頭を下げる。

「申し訳ございませんッ! 私ったらなんてことを」

「あ、いや、いいんだよ。誤解が解けたんならさ」

「食べたのは食堂ちゃんじゃなくて、食堂ちゃんが作ったご飯の方だったんですね」

「そりゃそうだよ。いやはや、とんでもない勘違いだなあ」

 愛宕は申し訳ない気持ちでいっぱいなようで、目を潤ませながら俺を見つめている。

「大丈夫だよ愛宕、俺は怒ってなんかいないから」

「……本当ですか?」

「本当だって、気にしてないから。だからもう謝らないでよ……それにしても、なんでそんな勘違いしちゃったかな。しっかり者な愛宕らしくないよ」

 愛宕は頬を赤くして、もじもじしながら上目づかいになって言う。

「……だって……すっごく仲がよさそうだったから……」

 俺の心臓がドクンッと高鳴った。
 愛宕が嫉妬していた。
 俺はいままで、艦娘達に異性として見られていないと思っていた。
 しかし愛宕は明らかに嫉妬している。
 いきなり見せられた愛宕の女の子らしさに、俺は戸惑いながら全身を熱くする。

「仲がいいって? そりゃご飯のお世話をしてもらってるし、食堂番の娘ちゃんってああいう性格だし……でも特別に思ってるわけじゃなくてさ、基地にいる皆は全員が仲間だろ? ファミリーだろ? だから家族としてのコミュニケーションというか、なんというかさあ」

「……でも、食堂ちゃんといっしょにいる提督、すっごくデレデレですよ?」

「ええ? デレデレ?? そんなことないよ、いつもの俺だよぉ」

「いいえ、デレデレでした。デレンデレンのデレデレ提督でしたよ」

 確かに……俺はデレデレだったと思う。
 しかしそれには理由がある。

「うーん、だってさ……愛宕を含めてなんだけどさ、艦娘のみんなって俺のこと……空気に思ってない? なんだかそれが寂しくてさ……だから食堂番の娘ちゃんみたいにドストレートな愛嬌を見せられちゃうと……ついついデレちゃうんだよなあ」

 しょげる俺。
 自分の気持ちを口にした途端、どうしようもなく寂しい気持ちになった。

「かわいいんですね、提督って」

 愛宕はうなだれている俺の頭を優しく撫でた。
 気持ちが落ちた俺に優しくしてくれる愛宕。
 勘違いとはいえ俺のことで嫉妬してしまう愛宕。
 俺は胸がどうしようも熱くなり、とんでもなく切なくなった。
 不意に愛宕を見ると、愛宕は温かい笑顔を返してくれた。

「うふ、どうしました?」

 ダメだ、これはダメだ。
 かわいい、これはかわいすぎる。
 俺はあまりにも切なくて、たまらず愛宕に抱きつこうとする。

「愛宕ぉ!」

“むにゅうう”

 俺は勢いあまって愛宕の胸に飛び込んでしまい、俺の顔は愛宕のけしからんサイズなお胸に埋まってしまう。

「んもぅ、意外と甘えん坊なのですね」

 愛宕は胸に挟まっている俺の頭を抱きしめ、ふくよかすぎるお胸で俺の頭を深く包み込む。
 心地よい温もりと気持ちのよい柔らかさが、俺の頬にほんわりと、ふにゅふにゅと、ほっこり伝わってくる。
 あまりの心地よさに、このまま寝てしまえたら、ひと晩中天国体験が楽しめるだろうなと考えてしまった。
 それでもって朝になったら「んもぅ、提督ったら甘えん坊なのですね」と言って起こしてもらって――

「たまんねぇなぁ!」

 たまらなくなった俺は叫び上げながら顔を上げた。

“むんにゅうううううッ”

「ひゃうんッ」

 愛宕が甘い悲鳴を上げた。
 俺は無意識のうちに愛宕のたっぷりすぎるお胸を掴んでいた。
 俺の両の手が愛宕のお胸に埋まっている。

「わ、わ! わぁッ! ご、ごめんッ!」

 俺は慌ててお胸を掴んでいる手を離そうとする。

「いいのですよ? 提督」

 愛宕は俺の手の上に自分の手を乗せて、お胸に俺の手を押し込んだ。

「え、え? えぇッ! えええええ!?」

 愛宕は頬を赤くしながら、やわらかな笑顔を俺に向ける。

「私のお胸、気になりますよね。提督、いつも見てますものね、私のお胸」

「あ、やっぱりバレてました?」

 俺はテヘペロしてしまう。
 男のテヘペロなんぞ見せられたもんじゃないほどに汚いものだとは重々承知しているが、それでもテヘペロしてしまう。

「提督にだったら、いいんですよ? 提督は私のお胸、触ってもいいんですよ?」

 そんなことを言われてしまったら、俺の理性はズドーンとどっかに飛んで行ってしまう。
 俺は愛宕のお胸を揉み上げながら、優しい笑顔を向けている愛宕の唇を奪ってしまう。

「んぅッ、んちゅぅぅんッ」

 唇を重ねられた愛宕は目を潤ませて、ほんわりととろけた顔を俺に向ける。
 戸惑いつつも俺に身をまかせている愛宕がどうしようもなくかわいくて、俺は舌を愛宕の中に入れ込んでしまう。
 舌の侵入を許してしまった愛宕は、ぴくんと身体を小さく揺らす。
 緊張しているのか、少しだけ震えている愛宕の舌を、俺は舌先で優しく撫でる。
 まるで怯えている子猫を撫でてやるかのように、俺は温かな気持ちを込めながら愛宕の舌を撫でてやる。

「んぅうッ、んううぅぅうんッ」

 舌を舐められて気持ちが高まったのか、愛宕は自らの舌をうごめかして俺の舌に絡める。
 俺と愛宕は互いに舌を求め合い、舌を絡ませ合い、口を吸い上げる。
 深く長いキスに酔いしれるふたりは口の端からヨダレを漏らし、口の周りを濡らしていく。
 そしてふたりはどちらからともなく、ゆっくりと唇を離した。

「提督、お願いがあるのですが……」

「お願い? 俺に?」

 恥ずかしそうに身をよじりながら、愛宕は意を決したように俺を見つめる。

「甘えるのは、私だけにしてくださいね」

 ドドクッとひと際大きく俺の心臓が高鳴った。
 かわいい、どうしようもなくかわいい。
 愛宕の乙女すぎる一面を見せつけられ、俺は切ない気持ちを爆発させてしまう。
 はっきり言って我慢の限界だ。

「俺……愛宕に甘えたい」

 俺は愛宕の首に巻かれた白いスカーフをほどき、そのままシュルッと抜きとる。
 愛宕は俺をまっすぐに見つめ、とろけた目を俺に向けている。

「俺、たくさんたくさん甘えたいよ。愛宕に甘えたい。愛宕に死ぬほど甘えたい」

 たまらない気持ちの俺は愛宕に深い口づけをする。
 愛宕の口を舌で愛撫しながら、愛宕の上着をゆっくりと脱がしていく。
 上着の胸下のボタンを外そうとすると、手が愛宕の乳下に触れてしまう。
 すると愛宕は唇を重ねたまま、ぴくんと身体を揺すって反応してしまう。

「んちゅッ、んちゅぅぅッ」

 金属の塊のような装備品を丁寧に外し、床に置く。
 真っ白いシャツ姿になった愛宕。
 俺はシャツのボタンに手を掛ける。
 愛宕が着ている白シャツ……そもそも愛宕の大きなお胸を支えられるようなシャツなどこの世に存在するわけもなく、いま愛宕が着ているシャツは無理やりに胸のボタンを止めている状態であった。
 そのせいか、ボタンを外そうとするとボタンが愛宕のお胸に埋まってしまい、うまく外すことができない。
 それでも果敢に俺はボタンを外そうとする。
 すると愛宕はぴくぴくんとお胸を揺らし、身をよじらせる。
 まったくもってボタンを外せないでいる俺はあせる気持ちを抑えながら、丁寧に、ゆっくりと、確実にシャツのボタンを外していく。

「ん? あ、あれ?」

 シャツのボタンを幾つか外してみて、俺ははじめて知った。
 愛宕はノーブラである。
 これだけの立派すぎるお胸を持ちながら、ブラをつけないでいるなんて……いや、むしろ愛宕の立派すぎるお胸を支えてくれるような気概のあるブラなんて、この世には存在しないのではないだろうか。
 それにしてもここまでお胸が大きいと、普通なら型崩れしてしまいそうだが、愛宕のお胸は素晴らしく美しい形を保っている。
 俺は愛宕のお胸を感心しながら見つめて、着実にボタンを外していく。
 あまりにも愛宕のお胸に夢中になっている俺は、愛宕の胸から数ミリと離れていない距離から愛宕のお胸を凝視し続けている。

“しゅるるるぅ、ばぁいィィィィィんッ”

 シャツのボタンを外した瞬間、無理やり収納させられていた愛宕のお胸がバイィィンと飛び出してきた。

「ぱんぱかぱーんっ!」

 突然流れた愛宕の自前ファンファーレ。
 愛宕はおめでたいとばかりに両腕を上げて、渾身のバンザイをする。
 バンザイの勢いで胸が突き出され、俺はもろにおっぱいアタックを喰らってしまう。

“もふぅぉッ! ぼぅおおおぉぉぉおおおん! …………ぱふッ”

「うぉおッ! ぅわああぁぁぁああッ! …………ぬひッ」

 俺の顔はすっぽりと、完全に愛宕のお胸に挟まれてしまった。
 愛宕の生おっぱいに包まれている俺。
 心地よい温もり、低反発とも高反発とも言えない気持ち良すぎるやわらかさ、すべすべでいてもっちりとしている肌触り、たっぷりすぎる超々級のボリューム。
 愛宕のお胸は大きいだけではなく、形も見た目も触り心地も、全ての点において満点以上の、もはや奇跡といえるほどに素敵で素晴らしい極上おっぱいであった。
 そんな素敵おっぱいに挟まれている俺は、全身がどろどろに溶けてしまいそうなくらいに心地の良い天国を味わっていた。

「提督、私のおっぱい、好きですか?」

「好きです! 大好きです! 大好物です!」

「うふふ、それじゃあ私のことは好きですか?」

「好きです! 大好きです! 大好物です!」

「んもう、調子のいい提督ですね。でも嬉しいです、私のこと好きになってくれて。私も提督のこと、大好きですから」

 愛宕はお胸に埋まっている俺の頭を優しく撫で撫でした。

「提督、私のおっぱいで甘えたいですか?」

「甘えたいです! 超甘えたいです! 甘えさせてください、愛宕様ぁ!」

 俺は神を見るような目で愛宕を見つめる。
 いや、実際に神なのだ。
 「高雄」型重巡二番乳神・愛宕様!

「んもぅ、本当に甘えん坊なのですね。じゃあ特別に“愛宕スペシャルおっぱい雷撃”してあげちゃいますね」

「え? なになに? スペシャルおっぱい? 雷撃? なにその素敵すぎる技の名前……って、うわぁあッ!」

 愛宕は俺の顔に横からおっぱいを押しつけて、押したり、離したり、押したり、離したり……それを繰り返す。

「こ、これはぁッ! あ、あの伝説の……ぱふぱふってやつかぁッ!」

 愛宕は俺にぱふぱふをしている。
 極上おっぱいでのぱふぱふは、極上の心地よさで俺を包み込んでくれる。
 俺が自分でぱふぱふしているのはなく、愛宕が積極的にぱふぱふしてくれている。
 これはたまらない。
 もうたまらない。
 たまらないったらたまらない。
 これほどまでに“甘える”という言葉がびったしはまる行為は、他には無いだろう。
 愛宕の極上おっぱいでぱふぱふされていると、興奮する気持ち以上に、安らぎや安心な気持ちで心がいっぱいになってしまう。
 安らぎ、癒し、安心、それらは俺の精神年齢を著しく下げていく。
 まるで赤子になったような、変な気持ちにさせられてしまう。
 何にもできない赤ちゃんな俺を、全て受け止めてくれる愛宕。
 なんだか本当に、俺は赤ん坊になってしまったのではないか……そんな錯覚に俺は襲われる。

「あ、あぶぅ……」

 言ってしまって俺はハッとした。
 わざとではい。
 本当に素で言ってしまった。
 自然に赤ちゃん言葉が出てしまった。
 それを聞いた愛宕は目をとろけさせて、胸に挟んでいる俺の顔を抱きしめた。

「んもぅ、本当の本当に甘えん坊なのですね。提督ったら本当にかわいいです」

 母性全開な温かな顔で、俺を見つめる愛宕。
 俺の脳は極上ぱふぱふによって完全に溶かされてしまい、もはやまともにものを考えられない。
 愛宕は俺の頭を膝の上に乗せ、膝枕をする。
 すごい光景だ。
 目の前には愛宕の極上おっぱいの下乳しか見えない。
 いや、ほんの少しだけだが、おっぱいとおっぱいの狭すぎる隙間から、愛宕のやわらかな笑顔が見えている。

「赤ちゃん提督に、愛宕がおっぱいをあげまちゅねッ」

 愛宕は俺の顔を抱きかかえ、そして極上おっぱいの先端を俺の口に含ませる。
 愛宕の柔和で鮮烈なピンク色の乳首が俺の口の中に入ってくる。
 自ら進んで乳首を舐めさせる愛宕に、俺は得体の知れない感動を覚えた。
 俺は本当の赤ん坊のように乳首に吸いつき、ちゅうちゅうと吸音が聞こえるほどに乳首を吸い上げた。

「んぅッ……うふふ、そんなに夢中になっちゃって、赤ちゃん提督ったら」

「あぶぅぅ、あぶぃぅ」

 もしもこのまま母乳が出たら、俺はもう二度と元には、大人には戻れなくなっていただろう。
 一生赤ん坊として人生を過ごし、一生愛宕に子育てしてもらいながら、情けない提督ライフを全うしたであろう。
 しかし、そうはならなかった。
 乳首を吸われた瞬間に見せた、愛宕の表情。
 それは明らかに感じてしまった、乳首から生まれた甘い快楽に身をよじらせてしまった、女の愛宕の顔であった。
 俺は愛宕の乳首をちゅうちゅうと吸いながら、口の中で乳首の先端を舐め上げ、唇でふにふにと乳首を揉み上げる。

「ふあぁッ、そ、そんな、提督ったら……赤ちゃんはそんなことしませんよ?」

「危なかったよ愛宕。俺、本当に赤ん坊になるところだったよ。でも残念ながら、俺は提督。大人な提督。愛宕と気持ちいいことがしたい、漢と書いて男な司令官。それが俺、提督だぜぃ!」

 俺は愛宕に抱かれ、乳飲み子スタイルのまま愛宕の極上おっぱいにむしゃぶりついている。
 愛宕は俺を離したくないのか、俺に離れてほしくないのか、ずっと俺の頭を抱えている。
 愛宕の両手がふさがれているのをいいことに、俺は両の手で極上おっぱいを揉みまくり、ふたつの乳首を交互に舐めまくる。

「んゅッ、提督ったら……赤ちゃん提督が、ただの甘えん坊大人提督になってしまいました」

 右の乳首を舐めまくり、そして左の乳首を甘噛みして、そして右の乳首を唇で噛みながら乳首の先端を舌先で擦り上げて、そして左の乳首をじゅうううぅぅぅッと吸い上げて……
 おっぱいを揉まれながら両の乳首をいじられまくっている愛宕は、背を反らせて熱い溜息をついた。
 俺の頭を抱えている愛宕は両の手が使えない。
 そのせいで俺のやりたい放題になってしまっている。
 おっぱいを揉まれ、吸われ、甘噛みされ、撫でられ、擦られ、つままれ、キスをされ、つつかれて……極上おっぱいを攻められすぎて、愛宕はおっぱいから生まれてくる甘すぎる快楽に脳を痺れさせていた。
 それでも愛宕は俺の頭を抱え続けている。
 熱い吐息と溜息をつきながら、耐えるように身を震わせて、俺の乳攻めを受け続けている。

「あ……や、やだ……こ、こんなのって……いやぁ、ダメです……」

 愛宕は目を潤ませ、ひどく恥ずかしそうな顔をしながら身をよじらせている。
 そして何かを気にしているのか、何かを隠したいのか、愛宕は落ちつかない様子でそわそわしている。
 もじもじとしながら、愛宕は目を泳がせている。

「やだ……ウソよね……ウソみたい、こんなの……私、こんな……」

 愛宕は俺の頭を抱えたまま、脚をもじもじさせている。
 正座しながらもじもじする姿は、大人な愛宕がするとひどく卑猥である。

「そんな、私、こんなに……ぬ、濡れ……」

 愛宕の小さすぎる声が耳に届き、俺は胸を高鳴らせる。
 愛宕が濡れている。
 愛宕が愛汁を漏らしている。
 愛宕が俺に感じている。
 その事実が俺をいまだかつてないほどに興奮させる。
 そして俺はある事を思いつき、それを絶対に完遂させようと心に誓う。

“じゅるるるぅッ、ちゅううぅぅるッ”

「きゃうッ、て、提督?!」

 俺は愛宕の乳首に吸いつき、口の中でべろべろと乳首を舐めまくる。
 更にもう片方の乳首をつまみ上げ、うにゅうにゅと揉みこねる。
 いままで以上に激しい乳攻めを受け、愛宕は戸惑った顔を俺に向ける。

「提督……そんなぁ、そんなことされたら私……きゃうッ、提督ッ! 凄すぎですッ! それはダメなのですッ! ダメですよぉ、提督ぅ……」

「愛宕……このままイかせるよ」

「……ッえ? て、提督?」

「このままイかせるからね、愛宕……おっぱいでイかせてあげるよ、愛宕」

 俺が心に誓った完遂すべき任務、それは「高雄」型重巡二番艦・愛宕をおっぱいでイかせること。
 失敗は許されない。
 漢と書いて男な俺は、絶対に失敗してはいけない任務である。

「提督……そんなこと言われてしまったら、私……」

 愛宕の胸がひと際大きく高鳴った。
 イかせる、しかもお胸で。
 おっぱいで!
 面と向かってイかせると言われてしまい、愛宕は混乱してしまう。
 おっぱいでイッてしまう……愛宕にとって、それはいまだかつて経験したことがない、未知なる世界。
 完全なる初体験。
 もはやおとぎ話のようなお話。
 そんな夢のような話をされて、愛宕の秘肉門から、どぱぁぁと、ひと際多く愛汁が漏れ溢れた。

「また漏れちゃった……これ以上はダメですよぉ、提督ぅ……」


(遂行中)


※この文章はサンプルになります。
 全文はダウンロード販売にて発売予定の「高雄姉妹ウラこれくしょん」に収録いたします。
 <内容>
  序章:任務【はじめての着任! 艦隊の指揮に入られよ!】
  第1章:任務【「高雄」型重巡二番艦をおっぱいで撃破せよ!】
  第2章:任務【「高雄」型重巡姉妹の一番艦と二番艦をおっぱいで撃破せよ!】
  第3章:任務【「高雄」型重巡姉妹の一番艦と二番艦におっぱいで奉仕させよ!】
  第4章:任務【「高雄」型重巡姉妹の一番艦と二番艦にオマ●コで奉仕させよ!】
  第5章:任務【「高雄」型重巡姉妹の一番艦と二番艦に3Pで奉仕させよ!】
  最終章:任務【話が長くなりすぎました! いい加減オチをつけてください!】
  オマケイラスト:“島パンこれくしょん”

詳細はメインサイトをご参照ください。
マフポコの巣(艦これ、こちら鎮守府第二基地前駐在所)
http://mahupoko.blog62.fc2.com/

【艦これ】高雄姉妹ウラこれくしょん

【艦これ】高雄姉妹ウラこれくしょん

  • 小説
  • 短編
  • 成人向け
  • 強い性的表現
更新日
登録日
2013-12-19

Copyrighted
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  1. 【艦これ】高雄姉妹ウラこれくしょん 序章:任務【はじめての着任! 艦隊の指揮に入られよ!】
  2. 【艦これ】高雄姉妹ウラこれくしょん 第1章:任務【「高雄」型重巡二番艦をおっぱいで撃破せよ!】