誕生日

誕生日

「誕生日」 それは文字通り私の生まれた日。 多くの人は誕生日には家族もしくは他人に祝ってもらったりするのだろう。

しかし、誕生日とは私にとってはこの世に生を受けてしまった日。というマイナスのイメージしか持つことが出来ないのだ。

何故なら、こんな辛い世の中を生きることになったきっかけの日。それが私の誕生日への認識だ・・・。

誕生日

 今日は私の誕生日だ。

誕生日と言えば誰かにプレゼントを貰ったり、お祝いしてもらったりして、めでたい日というイメージがあるが、私の中では違う。

誕生日それは私がこの辛く、苦しく、面倒くさい人生の始まりの日であるのだから・・・。

つまり、私の誕生日は生まれた日ではなく、生まれてしまった日なのだ・・・。

 私は今日が誕生日だが、それを人にあまり話したくはないのである。しかし、絶対隠し通さなければいけないという程のことでもない。

いつも通りに過ごすだけである。無事に職場の人からは誕生日のことは気づかれずに会社から帰宅することが出来た私は家に帰って携帯を見た。

メールが一通届いていた。母からの誕生日のお祝いメールである。不思議なことにそのことだけは純粋に嬉しく思えたのである。

そんな気持ちになった私は、自分はまだ人間であるのだなとなんとなく思ってしまった。

 それにしても、誕生日を祝うとは人間も物好きである。世の中は常に、人間たちの狸とキツネの化かし合いが毎日のように行われ。

本音も言い合えないようなつまらないものだというのに、それでもこの世に生を受けたことを嬉しく思うのだろうか。

それとも、悲しいことだが僻んだりせずに楽しくするために無理をして祝うのだろうか。

どちらにしても、不思議なことである・・・。
 

誕生日

誕生日

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-12-15

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