鑑賞記録-DULL-COLORED POP vol.13「アクアリウム」より


目白にあるシアター風姿花伝にて観劇。プロミシングカンパニー特別企画の1ヵ月ロングラン公演作品。
いやはや、想像以上に面白い演劇体験ができたもので少々驚きを隠せずにいるが、その表現方法が実に多彩で変化に富み、また戯曲においても構造の奥深さと抉るような鋭い視点が見事に舞台上へ昇華されていた。もちろん当然のことながら、そうした劇世界を忠実に先導した役者各位の肉体感覚にも、称讃をせねばならない(殊にこれは好みでもあるが、刑事の部下「菊地」を演じていた一色洋平さんは惚れ惚れするような強固で柔軟な身体をお持ちだ。間違いなく観客の目、あの時間と空間を席巻していたであろうし、大いに観客の心を沸かせてくれたに違いない)。
「これは口語的な演劇である」とか「発散型のいささか古臭い類いの芝居である」だとか、そうしたスタイルに基づくカテゴライズを一切許さないような「アクアリウム」的演劇がそこにはあった。断片的に切り刻んで評論を試みようものなら、その感慨が胡散臭くなるほどに。是非ともあの空間に座し、その身体で体験していただきたい。演劇は我々が思うよりもずっと自由であることを立証してくれている。

鑑賞記録-DULL-COLORED POP vol.13「アクアリウム」より

鑑賞記録-DULL-COLORED POP vol.13「アクアリウム」より

「目白にあるシアター風姿花伝にて観劇。プロミシングカンパニー特別企画の1ヵ月ロングラン公演作品。 ……」

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-12-13

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