re:vive 0章 〜白い闇〜
長編小説を書いていきます。章数など未定。
この物語はフィクションであり、実在する個人名・団体名とは一切関係ありません。
新出登場人物
・遠江 頼(とおとうみ らい)
→この物語の主人公。
・遠江 薺(とおとうみ なずな)
→頼の妹。
・遠江 耕一(とおとうみ こういち)
→頼の父。
・遠江 佐百合(とおとうみ さゆり)
→頼の母。
聖夜の空からひらひらと舞い降りてくる白い花びら。外灯に照らされて美しく輝くその花びらは、手のひらにのってはすーっと消えて、そこからひんやりとした冷たさが伝わってくる。地につけば溶けて消えてしまう儚い命。その命が降り注ぐ路地を俺は歩いていた。いつもならこんな時間になるまで外にいることなどないのだが、この日はじっとしてなどいられず、何となく外に出てみた。
今日、親父は死んだ。死因は自殺。警察の捜査によれば、俺の住むマンションの屋上からの飛び降り。近所の住民の通報で病院に搬送されたが、親父は助からなかった。
ただ、実際に俺は見ていない。だから、自殺だと納得できない。少なくとも昨日までの親父ならそんなこと絶対あり得ない。
なぜ死んだのか。やはり自殺は絶対にあり得ない。じゃあ、仮に他殺だとしたら?…でも親父が誰かの恨みを買うことなど考えられない。事故は…どうだろう。屋上にはフェンスもあるし、誤って落ちることなどほぼ皆無だ。…やっぱり自殺なのか。
いろいろ思い浮かべながら、俺はいつもと何変わらぬ街を放浪した。気づけば、俺は親父の死を悲しむのではなく、どうして死んだのかということばかり考えている。親父の遺体を見た時も、母さんや薺は声をあげて泣いていたのに、俺は一筋も流さずにその様子を傍観していただけ。
「俺は虚しい人間なんだな…」
そのまま俺は、規則的に光るイルミネーションを無意識にじっと見ていた。
空を舞う花びらは、やがてアスファルトを真っ白に染め上げた。
re:vive 0章 〜白い闇〜
これから、どんどん書いていきたいと思います!
話の追加は不定期です(^_^;)