届かないキス

私は加田鈴奈、いたって普通の高校生。
勉強も普通で体育は大の苦手…
高校生と言ったら、恋愛して、キスして…
そんな、余裕なんて私にない!!!!

普通の高校生が繰り広げる甘々でキュンとする
とてもキュートな恋物語…

一目惚れ…

私は加田鈴奈、いたって普通の高校生です。
私は、気づかないうちにとても甘々な恋にハマっていてしまったようだったのです。



「鈴奈~!!おーそーいー!」
家の外からかん高い大声が聞こえてきた。
「待ってー!すぐ行くー」
私は少し巻き型になっている階段を駆け下りて玄関を開いた。
「ごめん、ごめん!髪が上手く結べなくって」
「も~!!いつまで待たせる気よ!」
この子は親友の柊つばさ。ほんとにしっかりしてて、いつも助けてもらってる。いつもと変わらない通学路を、恋愛や友達、家でのことなどを話しながら歩いていた。
でも、今日は少し…いや、かなり私にとって変わった日になるとはこの時は思いもしなかった。


「つばさー好きな人とかいないの?」
私のお決まりの第一声。
つばさは、またですか?のような口調で答えた。
「だから、まーいにち言ってるけどいないってばー!」
つばさは、男子から人気があり学校では有名なモテ子なのだ。
「つばさは、いいよねー 恋しようと思えば男子寄ってくるしね。
私なんて男子ともあまり話したことないし、好きな人さえいないんだよー」
私は少し口をとがらせて言った。
すると、つばさは呆れた様子でこう言った。
「バカじゃないの!モテモテより自分が好きになった人と相思相愛になれたほうが、どんなに嬉しいか。鈴奈も早く好きな人見つけていい恋してよ!」
「もちろん!そんなのわかってまーす!」

そうこう言い合っているうちに私たちは学校に着いた。

「じゃあね!また帰り!」
つばさは、1組で私は3組なのだ。

私はいつものように1時間目の授業の準備をした。
「1時間目は体育か。やだなー」
そう、言いながら私は教科書を持ってグラウンドへ向かった。

キーンコーンカーンコーン
1時間目開始を知らせるチャイムがなった。
「今日は50㍍走のタイムをはかるぞ!じゃあ、そのレーンに出席番号順に並べー」
「私は加田だから前に行かなきゃ」
私は順番的に前の方なので、自分の場所に行き座った。
私は体育が大の苦手で50㍍走なんて、とんでもない。
「はー。早く終わらないかなー」
小さな声でつぶやくと私は肩を落とした。

「大崎!」
「はい!」
私の前の人の名前が呼ばれ私は変に緊張してきた。
そして、前の人が走り終わり私の番がきた。
「加田!」
「は、はい」
私はオドオドと返事をした。
「位置についてよーい」
赤い旗が上がった。
私はとても、ぎこちない走り方でゴールをした。
「10秒2」

「でしょうね…」
私はあまり気にせずレーンの横を通って帰ろうとしたその時…
人がもの凄い速さで私の横のレーンを駆け抜けた。
「6秒7!」
「ろ、6秒!?」
私は自分の耳を疑った。
「イェーイ!俺の勝ちー!」
その子は大声で叫んだ。とても可愛く優しい笑顔で。
「ドキッ」
私は確かに聞いた。
自分の胸が一瞬ものすごい勢いで胸打った音を。
「なに、このドキドキは…?」
私はその時は、まだこのドキドキが何の予知だったか知るよしもなかった。



そして、やっと下校時間がきた。
しかし残念なことに私は今日、日直だったのだ。
「鈴奈~帰ろー!」
教室の後のドアから顔を出し、つばさが叫んだ。
「ごめん!まだ日直の仕事、残ってるから先に帰ってて!」
「わかったー!じゃあね!」
つばさは、手を軽く振ると昇降口に向かっていった。

「はー。まだ、いっぱい残ってる…」
誰もいないオレンジに染められたら教室で私は、ほうき片手につぶやいた。

掃除の仕事も終わりあと、残すは後3個ほどのところで私は浅い眠りについてしまった。


「……ぃ…おーい!」
「は、はい…」
私は目をこすりながら呼ばれたと思い起き上がった。
すると、目の前に立っていたのは、私が不思議なドキドキに襲われたときのあの子だった。
「なんでしょうか?」
まだ、眠そうな声で私は答えた。
「そんなところで、カワイイ子が寝てるとキスされちゃうぞ~」
その子はカワイイ甘~い声で言った。
「な、なんですか?!」
私は少し戸惑いつつも怒り口調で言った。
「ごめん、ごめん。下校時刻すぎてるよ!って伝えたかったの」
その子はあの時の体育のときのような笑顔で謝ってきた。
「は、はぁ…?そうなんですか、それはお伝えしてくれてありがとうございます」
私はまた、あのドキドキに襲われた。
「一体、何なのこのドキドキは?!」
私は大声で叫んでしまった。
「ど、どうしたの?急に」
「す、すいません!では、さようなら」
私は全速力で昇降口へと階段を駆け下りた。

家に着いても、まだあのドキドキは止まっていなかった。
「もう、何なのよ!このドキドキは!」
私はその時、まだ恋愛に対しての感覚が鈍かったのだ…。
私はドキドキする胸を押さえながら、ご飯も食べずに寝てしまった。


そして、次の日の朝…
私は昨日、早く寝過ぎたせいか今日は、つばさより早く家を出た。
「鈴奈!おはよう」
つばさが走ってきた。
「お、おはよう」
「どうしたの?元気ないね」
「うん、何か昨日からずっーと胸がドキドキして止まらないの…何なのかな、このドキドキは」
「もう!つばさったら鈍いんだからー ドキドキして止まらないっと言ったら…
恋しかないでしょ!!」
「こ、こ、恋!?」
「そう、こーい!」
「ないないない!だって…ない!」
私は全面拒否をした。
「もう!素直じゃないなー でさ、誰に恋してんの??」
つばさは興味津々に聞いてきた。
「わからないよ…。しかも、まだ恋かわからないし!
でも、昨日からあの子の笑顔を思い出すとドキドキが止まらなくなるの…」
「あの子って?だれのこと?」
「名前は話したことないし、あまり見てなかったから分からないんだけど、小さい子!」
「3組で小さい子……?……わかったー!」
「え?だれ?」
「有松裕太でしょ!」
「……?聞いたことあるようなないようなー…」
「あの子はかなりのヤンチャで喧嘩が日常茶飯事らしいよ」
「えー!そうなの?まぁ確かにヤンチャそうには見えるけど…」
「しかも、その喧嘩がチビのくせに強いらしくって、裏じゃチビのハイエナって呼ばれてるらしいの」
「そっかー… まぁ、気をつけるね…」
私は少し小さな声で言った。



「じゃあねー!」
また、いつものようにつばさと別れ教室に向かった。
すると、肩を急にツンツンとたたかれた。
「ねぇ、これ鈴奈ちゃんのじゃない?」
そこに立っていたのは、あの有松裕太くんだった。
「あ、そうです。ありがとうございます。」
それは、クマのキーホルダーだった。
「何かそれ大切なものっぽいから昨日、追いかけたんだけど見失っちゃって」
それは、そのはず。
だって昨日はこのドキドキのせいで全速力で帰ったんだから!
「なんで、大切だって分かったの?」
「え、だってよく、そのクマのキーホルダー見てない?だから何か大切な人からもらったものなのかなと思って」
「ま、まぁ。そうかな…」
私は言いながら笑った。
「鈴奈ちゃんさあ、いつもそういう風に笑ってなよ!
俺、鈴奈ちゃんの笑顔、結構好きだよ… じゃあ!遅れちゃうから」
有松裕太くんは笑顔でそう言いながら走っていった。
「え…?」
私は戸惑いを隠せなかった。
顔は自分でも分かるくらい熱く赤くなっていた。



これって、恋なのかな…

気づかない…

次の日の朝なんだは祝日なので、学校が休みだった。
私は久々に1人で隣町の雑貨屋へ向かった。
雑貨屋へはバスを使って行くのだが、今日は少し歩きたい気分だったので
バスを使わず歩いて隣町へ向かった。

歩くと少し薄暗いところを行かなければならないのだが、
まだ明るかったのでサッサッと抜ければ大丈夫と思い
少し小走りで向かった。
すると、それが運のつき…
すれ違いざまに知らない人たちにぶつかってしまったのだ。
みたからに、悪そうな感じの身なりだった。
私は少し会釈をして全速力で走った。
「おーい、おじょうちゃん!謝りもせずに素通りってどうなのー?」
その人たちの顔には異様な笑みがこぼれていた。
「す、すいません…」
私は少し小さな声で縮こまったように言った。
すると、その人たちは私の腕を掴んできた。
「案外かわいいじゃん!お兄さんたちがいいところに連れて行ってあげるから」
私はあまりの怖さに足が固まって動けなくなっていた。
声も出そうと思えばだせるのに喉が押さえられているかのように声すらもでなくなっていた。
「や、やめてください…」
これが、私の精一杯の対抗だった。


すると…
「その子のことを離せよ!嫌がってるだろ!」
この特徴のある声どこかで聞いたような…
「ぁーん?なんだ、てめぇ?!」
1人が言った。
「誰だっていいだろ!とにかく離せよ」
「てめぇには、関係ねーことだろ!このチビっ!」
「うっせー!!!俺はチビじゃねー!!!」
その子はセリフを言い終わる前に走り出してこちらへ向かってきた。
そして、その子はその人たちを殴るなり蹴るなりしてボコボコにしてしまった。
すると、その人たちは
「てめぇ、覚えてろよ」
と言い残し去っていった。
「あ、ありがとうごさいます。」
私は少し涙まじりの声で言った。
「大丈夫か?こんなとこ1人で歩いてたらヤバいぞ!カワイイんだから余計に注意しないとな!鈴奈ちゃん!」
「あ、有松くん!」
「なーんだ、今気づいたの?
「うん…あまりにも抵抗するのに必死で」
有松くんは少し手をすりむいていた。
「有松くん、手すりむいてる」
「あー、大丈夫これくらい!気にしないで!」
しかし、そのすりむいている傷はかなり傷口がひろがっていた。
「だめだよ!ちゃんと消毒しなきゃ!みせて」
私は自分でも気づかないうちに有松くんの手をとっていた。
「す、鈴奈ちゃん?」
「ちょっと、待ってて!」
私は近くの水道でハンカチをぬらして三角に折って戻ってきた。
「今、消毒液とか何もないからこのくらいしかできないけど、ごめんね」
「あ、ありがとう」
私の聞き間違いかな?有松くんの声が少しだけ恥ずかしそうな声に聞こえた。
「よし!じゃあ、私行くね!」
私は、有松くんに軽く手を振ると走ってその通りを抜けた。


私は、帰りはさすがにあんな目に二度と逢いたくないので
バスを使って帰った。



翌日…
学校に着くと有松くんが私のほうへと走ってきた。
「はい、これ昨日の…ありがとう」
「あ、こちらこそありがとう。」
有松くんはそう言い残してまた、男子グループのところへ戻っていった。


「…な!す…ずな!鈴奈!!」
「あ!!」
私は大声をだしてしまった。
「鈴奈、帰るよー!」
つばさだった。
「あ、うん!」
私は、スクールバッグを片手にとり立ち上がった。
「鈴奈ー、友達から聞いたんだけどさ今日なんか上の空だったらしいねー。どうしたの?」
「昨日ね、私変な人たちに絡まれたの。それでそれを有松くんがたすけてくれて。」
私は何か自然と笑みがこぼれた。
「なに、にやけちゃってんのー。」
「それでもって、私をかばったから怪我しちゃって…」
「しちゃって?」
「私が知らないうちに有松くんの手を握ってたみたいなの!」
「まじかー!鈴奈がねー」
「うん、自分でもビックリだし全然気づいてなかった。でもその時はドキドキがなかったんだよね、自然と話して手握ってたらしいの」
「ふーん、なるほどね!」
「何がなるほどなのー?」
「さ、あ、ね!まあとにかく頑張れ!鈴奈!」
つばさをそう言って、満面の笑みを浮かべた。
でも、少しいたずらっぽい顔で…。

届かないキス

これからも、この小説を読んで読者の女の子それに男の子までにも勇気と元気を与えていけたらいいなと思います。

届かないキス

より多くの方に知ってもらえるように皆さんが読んでいてときめく様な小説にしていけたらいいなと思っています。よろしくお願いします。

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • コメディ
  • 青年向け
更新日
登録日
2013-12-12

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  1. 一目惚れ…
  2. 気づかない…