過去と未来を結べし者
-僕(私)達には守るべきものがある―
『今から何億年も前 世界がまだ1つの大陸だった頃』
「あ゛~もう!つまんない!」
ベルダは大きく伸びをしながら言った。
ここは、世界のありとあらゆる悪魔のたまり場「陰場」
その「陰場」を支配する悪魔、ベルダ
そしてそのベルダの周りでペコペコしているのは手下のオザット
「ちょっと、まだなのか!!??」
「ベルダ様申し訳ありません、今徹底的に探しているところでございます」
「もう、遅いん!!はやくしなっ」
ベルダはかなり苛立っていた
なぜなら・・・
悪魔が居るように精の使いもこの世界にはいた
お互いに譲りあうことで共存していた
しかし悪魔の頭には「共存」などと言う言葉はない
常に自らが世界を支配したいと思っているのだ
しかし悪魔がいくら集まっても妖精の「神秘の力」には勝てなかった・・・
悔しいベルダは手下を総動員させてなんとか「神秘の力」に太刀打ちできる方法を探しているのだ
しかし、ベルダには時間がなかった
悪魔とて寿命がないわけではなく、ベルダは突起して力が強かったため自分の寿命が近づいている事がわかっていたのだ
だから、あんなにも焦っていたのだ
イライラしているベルダの元へ手下の
トム・オル・ミーヤの3人がやってきた
「ベルダ様!!見つけました!!これならいけます!!」
ベルダは飛び上がり
「なんだなんだ早く教えろ!」
と急かした
代表してミーヤが言った
「ベルダ様、見つけました『Wingstone』です!」
ベルダは顔をしかめて
「なんだその・・・あの・・・ウィンなんとかって言うのは」
「自由を手に出来る石でございます、その石を手に出来れば世界のすべてから開放されて世界を手にできます!」
ベルダは興奮した様子で聞いた
「本当か!?でその石とやらはどこに」
ミーヤの顔は一瞬にして曇った
「森の園(エデン)です、ベルダ様」
「なに?」
ベルダは鬼の形相になった
ミーヤばビクっとして
「森の園に我々が踏み入ることが出来ないのはその石が影響しているはずです」
ベルダは
「ふんっ、まぁ私が頑張れば入れぬこともはが・・・」
と言って手下を嘗め回すように見て
「お前達3人は私に命を捧げるか?」
と問った
「もちろんでございます」
3人は言った
するとベルダは満足そうに
「ならば私のためにその石を取って来い!」
と命令した
トムは戸惑ったように
「しかし、時間がかかります、第一、私どもの手では森の園に入ることが出来ません」
しかしベルダは笑って
「ははっ、そんなの簡単だ、私が一時ながら入り口を作ってやるから、そこから入れいいな!?」
ミーヤは
「ありがたき幸せではさっそく準備をしに参ります」
ベルダはいつもの口調で
「急げ明日の明朝には出発だ!」
と3人を急かした
3人が居なくなるとオザットが言った
「いいのですか?ベルダ様彼らが石を手にすれば自由は彼らの手に・・・」
しかしベルダは余裕の面持ちで
「ふんっ、あいつらはそこまで頭が回らないもし気づいたら始末すればいい話だろ?」
オザットは恐ろしくなったここまで卑劣な悪魔がいるとは・・・
しかしそれを口に出すほどオザットも愚かではない
勤めて楽しそうに
「そうでございますね、さずがベルダ様」
と言った
しかすすでにその時ベルダの頭の中には自由を手にした自分が浮かんでいた
そしていやに高い声で笑った
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一方その頃森の園では、あわただしく人々が動きまわっていた
「アレン!アレンはどこにいるの?」
アリアは透き通った声で言った
「さあね、アレンのことだからどっかにボーっと立ってたりして」
ビルは冷めた感じでいった
「とりあえず急がなきゃ!!シルビア様によばれてるのよ?」
サマンサはまくし立てた
「だな・・・馬鹿はほっておこう」
そういって奥の宮殿へと走っていった
その宮殿には、森の園の女王シルビアが使いのウィルと一緒にたっていた
「きましたか・・・」
落ち着いた声で語った
「遅れて申し訳ありません」
リレシアが丁寧に言った
「いいえ、かまいませんこちらがいきなり呼んだのですから、ところでアレンは?」
リレシアは困ったように
「はぁ・・・アレンはいまだに連絡が付きません・・・
あっでも、あと2分後にはこちらにやってきますわ」
シルビアはふっと微笑んで
「さすが、リレシア見えましたか?」
「リレシアの力が俺たちにもあればアレンを探せるのだが・・・」
リレシアは笑って
「そんなに沢山いたら、私の仕事はなくなるわ」
そうこうしているうちに2分たった
[ドタッッ]
「スイマセンシルビア様!!寝坊しました!」
と言って寝癖が酷いアレンがやってきた
「まっていましたよアレン、さすが2分ぴったり」
「まったく馬鹿だなお前は」
「なんだと!」
と喧嘩をはじめてしまった
そこでアリアとリレシアはそろって
「うるさいっ!シルビア様の話を聴きなさい!!」
ものスゴイ剣幕に2人はシン・・・となった
「ふふ・・・面白いわねあなた達は、さて本題に入りましょうか」
皆小さくうなずくだけだった
「つい先ほど予言の主から予言を聴きました、陰場から悪魔が『Wingstone』を狙いに森の園にやってくるそうです」
サマンサはビックリして
「『Wingstone』を狙う!?どうやって?森の園には入れないはずでしょ?」
しかしシルビアは静かに言った
「いいえ、残念ながら陰場の女王のベルダはここに侵入する穴を開けるくらいの力は残っています」
「そんな・・・」
サマンサはうな垂れた
次にビルが言った
「ですがシルビア様なら何とかできるのではないんですか?」
これにもシルビアは残念そうに
「私にももう力があまり残っていないのもベルダと同じです、それに『Wingstone』の力は私ではもう抑える事が出来ないのです」
ビルはメガネのずれを直して
「つまりここに僕たちを呼んだということは、何とかして欲しいと思っておられるからですか?」
「何とかして欲しいのではありません、崩れかけた世界をあなた達から未来の者達へ整った形で引き継いでほしいのです、つまり『Wingstone』を破壊してもらいたいのです」
リレシアは驚いて
「破壊ですか?でもそんなことをしたら世界が壊れてしまいます!!」
シルビアは静かに
「いいえ、破壊するだけではなく新たな世界を築いて欲しいのです」
シルビアは頭を下げて
「お願いです、皆を救ってあげて」
リレシアは大きく
「やめてください!そんなこと!わかりましたから!」
シルビアは笑って
「ありがとう、ではあなた達に力を授けます」
といって5人を雪の周りに立たせた
ゆっくりとシルビアが話し始めた
「まずアレン貴方は炎の使いです
その情熱を生かせるように剣を授けます
次にビル貴方はどんなときでも冷静にいれる水の使いです
いかなる時も判断を誤らぬように羅針盤を授けます
次はアリア貴方は心を癒す音の使いです
いつまでも人々を癒し続けるように横笛を授けます
次はサマンサ貴方は最年少ながら逞しい草の使いです
その勇気を生かし続けれるように生命の妙薬を授けます
最後にリレシア貴方はどんな時でも前を見る皆の支え空の使いです
その美しい強さを失わないように弓矢を授けます」
そのあとに続いてアレンが
「我はいつまでも情熱を持ち続け生命の灯火を燃やし続けます」
ビルは
「俺は、皆が自分を見失わないように最年長として引っ張っていきます」
アリアは
「私の声が癒しとなるように歌い続けます」
サマンサは
「寂しくなってしまいそうになるけど負けません」
最後にリレシアは
「必ずこの世界は守り抜きます、我が命に代えても」
とそれぞれ誓ったのだ
5人の誓いを聴いてシルビアは
「任せました、貴方がたならきっとできます、自らを信じなさい」
それぞれしっかり頷いた
「向こうがせめて来るのは明日の明朝です」
「わかりました警戒線を派っておきます」
リレシアは言った
「リレシア任せました、それでは各自準備ができたらまたここに集まってください」
シルビアはリレシアが創りだした蝶見ながら言った
5人は個々に返事をして部屋へ消えていった
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「およびですかベルダ様」
手下がひざまづいた
「ああ、いいか後4時間後に森の園上空1000mに直径1mの穴を開けるそこから進入しろいいな」
オルが
「はい・・・ですが進入してからの指令は?」
「安心しろ、私の分身となるコウモリを送り込むそこから支持するいいな」
「はいベルダ様」
ベルダは険しい顔つきで
「準備はできたのか?」
と聴いた
ミーヤが先導して言った
「もちろんです!だろオル」
オルは笑って
「当たり前だろ」
と言った
ベルダは緊張した面持ちで
「儀式を始める」
と言った
オルは笑ったまま
「儀式ってなんですか?」
と聞いた
ベルダはキレぎみに
「なんだ!儀式も知らないのか?」
するとトムとミーヤはあわてて
「申し訳ありませんベルダ様・・・しっかり教えておきますので・・・」
と頭を下げて オルにくってかかった
「お前儀式も知らないのか!?いいか儀式と言うのは、森の園に入るときに自らの身を守ってもらうために行う儀式だ その儀式を行わないと進入してすぐに神秘にやられるぞ!!」
オルは目を大きくひらいて
「そうなのか!?なるほど・・・」
と言った
「お前も少し勉強しておけ陰場の幹部なんだぞ?」
トムは言うとオルはムッとしたように
「しょうがないだろ?幹部になったのはつい最近の事だし」
とぶつぶつ言い始めた
がそこでベルダが
「始めるぞ!」
と言ったので2人は喧嘩をやめてベルダの元へ行った
さぁ、毒液の周りにならぶんだとせかされて3人+ベルダは並んだ
すると液体は光はじめベルダが呟いた
「我は陰場の使者今より神秘への侵入を試みる者である
一時我に最大の力を与えられん」
光は全員を包んで見えない膜を作った
「すごい!さすがベルダ様」
とミーヤは言った
「いざ戦いの場へ、オザットこいつらを案内しろ!」
そういって神秘への世界へと入っていった
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あるとき5人の使者とシルビアは白い焚き火の周りを囲んで話あっていた
「いいか、皆まず俺達は『Wingstone』のありかを知らない」
ビルは言った
「それは、シルビア様でも分からないのですか?」
サマンサが尋ねた
「恥ずかしいのですが、分からないのです 説の中には定期的に移動しているというのもあります」
「そんなっ!」
サマンサは失望したような目でビルを見て
「どうするの?、守りようがないよ??」
「落ち着けサマンサ、ありかが分からないと言うのは相手も同じだ」
サマンサは落ち着きを取り戻して
「確かにそうかも・・・」
「でも、向こうより早く見つけなきゃいけないわけだよな?」
アレンが言った
「そうなんだ、そこが問題なんだ、シルビア様なにか特徴とかないんですか?」
シルビアは思い出すように
「Wingstoneは、使用する者には見つからず必要とする者の前に現れると聞いたことがあります。」
「なるほど・・・」
ビルは少し考えこんで
「リレシア、陰場のやつらを見張ることできるか?」
「もちろん、1回見つけたら逃さないわよ」
リレシアを当然のように言った
「よし、じゃあリレシアには見張ってもらって先にWingstoneにたどり着かないようにトラップをいろいろ仕掛ける、いわゆる時間稼ぎってうやつだ」
アレンは驚いて
「おおっ、いいアイディアだな、どんなトラップを仕掛けてやろうか」
アリアは言った
「どうやってみつけるの?」
シルビアがあっといって
「『必要なものは必要な場所にある、どことは定めず、自由に動く
草の上をすべり、音を奏でながら、水を泳ぐ、空を翔けて、熱き炎へ』と言う言葉も聞きました」
アリアは
「それって、私たちみたい!」
と言った
サマンサは
「でも必要な場所って何?」
「それは、必要にならないとわからないんじゃない?」
とリレシアが言った
ビルは
「そうだな、きっといまどんなに計画を立ててもありかはわからないんだろうな」
「じゃぁ、いきあたりばったりってこと?」
サマンサはビルに尋ねた
「そういうことになるな・・・、でも一応は入ってくる陰場のやつらのためにトラップを仕掛けておくのもいいかもな」
「お~楽しそうじゃん!!」
アレンは、テンションがいっきに上がったようだった
「ふふ、アレンはそのほうだけは能力がありますからね」
シルビアが言った
「そのほうだけですかシルビア様ぁ」
「アレン!情けない声を出さないでよ」
とリレシア
「悪ぃ で俺はランダムに煙幕でもかけるかな」
その声をビルが遮った
「まて、アレン。お前は遠くからでも技をかけることができるよな」
「ああ、できる」
「ならこうしたらどうだ」
「何々?」
とアリアとサマンサが興味津々尋ねた
「まず、俺が森の園の周りにお堀を作る、そこで足止めをする 俺はそのお堀に人が侵入したのを感じとったら皆に伝える」
すかざずアレンがあった
「そしたら俺がその方面に煙幕をたく」
「そうだ、そのあとは陰場のやつらがいく方面にアリア、リレシア、サマンサがトラップを仕掛ける どうだ??」
「いいんじゃない」
リレシア言った
「大丈夫かな?別々にきたらどうするの?」
サマンサは、不安そうに言った
「大丈夫よ5人もいるんだもの」
アリアは、包みこむような声でいった
「よしゃっーーー」
アレンは、気合いを入れて言った
「皆頑張るぞ!」
皆それぞれ、頷いた
シルビアはまたまた思い出したように
「Wingstoneについて思い出したのですが、私Wingstoneの言葉をお教えしましたよね、あれは森の園に伝わる古書にのっていたのです」
いきなり真剣な顔をして、話始めたので皆真剣な面持ちになった
「Wingstoneは、自由を手に出来る石です 先ほど破壊して欲しいろ頼みましたが、それは容易ではないことです 昔の大賢人5人がWingstoneを破壊しようとしました ですが、Wingstoneの力に抵抗することができず5人とも消えてしまったのです」
「消えた?亡くなったのではなくて?」
とアリアが訊いた
「そうです 消えてしまった そのうちに2人が生還しました その2人に事情を聞いたそうです すると2人の大賢人は言ったのです『その世界は時間が流れていない、苦しくもないが楽しくもない[無]の世界だ そこにいると自分が失われていくようだ』と」
「まさか!時が流れなんて」
リレシアが驚いたように言った
「私もまさかとは思ったのですがその大賢人2人の話は古書にも載るほど古い話です しかし100年ほど前に1人の大賢人が生還したのです」
過去と未来を結べし者
読んでいただきありがとうございます
練習作品です
かなり無理やりな設定もあるかと思いますが、よろしくお願いします
亀のような更新ペースです(すみません)