僕2 タカシSide

前作同様、読んだ後の誹謗中傷は受け付けません。悪しからず。
また、BLなのかNLなのかはっきりいたしません。
そのへんをふまえたうえで読んでいただけるとありがたいです。

それから…! (疲れた人ゴメンね)前作同様、これも漫画にしてもらえると嬉しいので、設定をいれておきます。

タカシ…前作参考

タク……前作参考

母さん…タカシの継母 マヤ
年齢23くらい
身長160cmくらい
以上デス。 でわ、どうぞ!(≧∇≦)

1、性癖

オレは母さんが好きだ。…と言っても血は繋がっていない。父さんは20も若い人と再婚した。オレはこの年の近い母親に少し困惑していた。正直、どう接したらいいかわからない。
「タカシくん、いってらっしゃい。」
「……行ってきます。」
タカシーーオレの名だ。母さんは毎朝優しく送り出してくれる。……そう、彼女はいつも優しい。確かに若くて綺麗だ。でも、オレはその優しさに惹かれた。…それでも、叶わない恋。報われない恋。しちゃいけない恋。そう何度も言い聞かせて今日まで過ごしてきた。告白なんてするつもりはない。することはできない。してはいけない。……何度同じ言葉を繰り返したか。だが、結局は何も変わらない。オレはただの息子。

オレは彼女が父さんと出会うずっと前から知っていた。向こうはオレのことなんて覚えていない。ただ、一度だけ会っていた。迷子になったオレを優しく道案内してくれたのだ。彼女はそんな些細なことを覚えているはずがない。だって、オレが小さかった頃の、うんと昔のことだったから。でもオレは、その優しい顔をずっと覚えていた。
「……タカシ、少し戸惑うだろうが、受け入れてやって欲しい。新しいお母さんだ。」
「よろしくね、タカシくん。」
運命だと思った。その面影は正しく彼女だった。2年前、その優しい人はオレの家族になり、母親になった。文字通り、”ズットイッショニイラレル”。でも、家族だからこそ、”コエラレナイイッセン”がずっとオレの目の前に横たわっていた。これは越えられない。越えてはいけない。越えることは許されない。そんな想いを抱えながら、オレはいつものように電車に乗る。
「タク、おはよう。」
「おはよう、タカ。」
「…カイさんも、おはようございます。」
「あぁ、おはよう。」
親友のタクとその幼馴染のカイさんだ。2人とはいつも、この駅から学校へと続く一本道で会う。そういえば、タクが1人で歩いている姿を見たことがない。なぜだろうと色々考えを巡らせてるうちに校門まで着いてしまった。カイさんは大学生で、オレ等の学校の近くの大学に通っている。大学が休講でも、タクの送り迎えは欠かさない。校門でカイさんと別れて、タクと2人きりになった。今なら聞いても大丈夫かな?
「……なぁ、タク。」
「ん? 何?」
「なんでタクはいつもカイさんと登校してるんだ?」
「え?」
「タクが1人のところを見たことがないなって…。」
「あぁ、あれね。…カイ曰く、僕を1人で登下校させられない、ってさ。…過保護だろ?」
「あぁ、…そう…だな。」
タクは、もう高2なのに…、とかブツクサ言っているが、まぁ、カイさんの気持ちもわからなくはない。何たってタクは学校一可愛らしい容姿をしている。この間なんか、一緒に歩いているところを母さんに彼女と間違えられてしまった。…そんなこと言ったら、タクに怒られちまうから、絶対内緒、だけどな。
ふと、視線を感じた。振り向くと、なぜかタクがオレを見ていた。
「……なんか、ついてるか?」
「え? あ、ううん。なんでもないよ。」
タクは慌てて言った。
「……どうした? 顔が赤いみたいだけど…。」
オレはタクの顔を覗き込む。
「ホ、ホントに何もないんだ…! ちょっ、恥ずかしいからこっち見ないで。」
そう言って俯いたタクは、耳まで真っ赤だった。……変なヤツ。

帰りの時間、女の子達が外を見て何か騒いでいる。
「ねぇ! あの門に立ってる人、誰?」
「え、何で僕に聞くんだよ。」
突然、タクは女の子たちに机を囲まれ、期待の眼差しを向けられていた。
「私、見たんだからね。タクちゃんがあの人と一緒に帰るとこを!」
タクちゃん――なぜか、クラスのみんなはタクのことをこう呼ぶ。誰が呼び始めたのか、いつの間にか広がっていた。
「もう、いい加減『タクちゃん』って呼ぶのやめてよ。」
「いいじゃない、可愛いんだから! ちゃん付けの方が合ってるよ。それより、あの人誰?」
可愛い…か…。わからなくはないな。女の子達があまりにしつこくて、帰れそうにないので、タクは仕方なさそうに答える。
「……幼なじみのカイ、大学生。」
「へぇ~。ね、ね、ご一緒してもいい?」
あ〜、カイさんイケメンだもんなぁ…。学校から駅まで一本道だし、タクの家はそれまでにあるし…。おいおい、断る理由ねぇぞ。
「……カイに聞いてみる…。」
なるほど、そうきたか。
「ありがとー。それでこそみんなのタクちゃん! じゃ、よろしく。少し後から行くから。」
みんなのタクちゃん? ハハハ、いいように使われてんな。まぁ、そうやってみんなに親しんでもらえてるのは、悪くねぇんじゃねーの? タクもまんざらではなさそうだ。
オレはサッカー部で今日は校庭を使える日。リフティングしながらタクを眺める。
「カイ、お待たせ。」
カイさんは、振り返って微笑んだ。
「あの、一緒に帰りたいって子が何人かいるんだけど…。カイ、大丈夫?」
あーあ。カイさん、考え込んじゃった。そこへ、女の子達がやって来た。
「こんにちは~。いつもタクちゃんと仲良くさせてもらってまーす。」
「タクちゃん…?」
「はい! タクちゃんって、あんまり可愛いんで、みんなでそう呼ぶようにしてるんです。」
「へぇ~。じゃあさ……」
カイさんと女の子たちが意気投合したらしく、話し込んでしまったようだ。タクは呆れて先に帰るみたいだな。
「あ、おい! 待てよ、タク!」
タクは知らないふりして歩き続けている。
「待てって…!」
一瞬、固まった。タクはカイさんに、後ろから抱き締められていた。それを見た瞬間、胸がちくりと痛んだ。この胸の痛みが何なのかわからないまま、オレの思考はそこで停止した。ボールがテンテンと地面を転がっていった。

2、想い人

タクとは小学校の頃からクラスが一緒の親友。最初はどっちから声かけたかとか、そんなことさえ思い出せないくらい長い付き合い。タクは昔から可愛かったからかよくいじめられていたし、オレはよくそれからかばっていたこともある。だから、タクのことはよくわかっているつもりでいたんだ。だけど最近、タクは上の空でため息ばかりついている。オレにも相談できないくらい悩んでるみたいだし、…もどかしい。今日もそんな様子で、顔の前で手を振ってみても反応なし。…さすがに心配になってきた。
「おい、タクっ! タクってば!」
「ふぇっ!?」
「ふえって…大丈夫か?」
タクはやっとこっちに気がついた。
「ごっごめん。何?」
「何ったって、難しい顔してるわ、反応ねぇわで、どうしたのかと思って。」
親友なんだから、心配くらいさせろ。
「ねぇ、タカ。好きな人っている?」
ドキッとした。タクにはまだ話したことなかったっけ。
「何だよ、藪から棒に…。……いる…と言えばいる、かな。」
「何それ、曖昧。」
とか言って笑いながら、タクは少し顔をしかめた。
「オレだってよく分かってないんだ。元々、していい恋じゃないし……。」
「していい恋じゃない? ふざけんな! この世にしちゃいけない恋なんてどこにもないよ…! ……ごめん、いきなり…。」
タクは突然声を荒げた。正直、めっちゃ驚いた。こんなタクは今まで見たことなかった。でも同時に、とても安堵した。
「……ありがとな、タク。」
その安堵は、しちゃいけない恋なんてないと言われたことではなく、タクと自分が同じ気持ちを持っているということに対するものであることに、オレはまだ気づいていなかった。

「ただいま。」
オレは30分かけて帰宅する。
「お帰りなさい。」
母さんはいつも優しく、玄関まで出迎えてくれる。そんな優しい母さんに甘えながら、不意に気になってしまった。
「なぁ、母さん。」
「ん、なあに?」
「どうして父さんと結婚したの?」
「あ、聞きたい? お母さんとお父さんの馴れ初め。」
「え? あ…う、うん。」
母さんは悪戯っぽく言った。…チクショウ可愛いな…!
「どれくらい前だったかな? 初めてお父さんと会ったのは…。あ、タカシくん覚えてる? 私たちずうっと前に会ってるんだよ?」
え…それって…。
「ふふっ、覚えてなくても仕方がないよね。だってタカシくんすっごく小さかったもん!」
母さんは勢いよく話すので、オレは覚えていると口を挟めなかった。そのまま覚えてない体で母さんは話を進める。
「あの日、迷子のタカシくんを交番に連れて行ったんだけど、ちょうどそこにお父さんがいてね、すっごい焦った顔でタカシくんとはぐれたことをおまわりさんに説明してたの。それでね、私が連れてきたタカシくんを見るや否やヒシと抱きしめてタカシくんに謝ってたの。『目を離してごめんな』って。普通親って迷子になった子供を叱るでしょ? でもお父さんは真っ先に謝ったの! かっこよかったな〜! それでね、お母さんはお父さんに一目惚れしちゃったわけなの。でもその時私まだ八つでしょう? だから諦めてたんだけど…5年前かな、奇跡的な再会を果たしたの。」
「奇跡的な再会?」
「うん、そう! お父さんのお仕事思い出して?」
「あ…、短大教授…。」
「そう。お母さんたち、短大で出会ったんだ。もう、いてもたってもいられなくなって、猛アタックしたの! そしたらね、ついにお父さんが折れて、『卒業したら結婚してやる』って言ってくれたの!」
「…母さんから迫ったの?」
「そうよー。だってお父さんその頃前の奥さんのこと引きずってたし…。後で聞いたんだけど、ゆかりさんが亡くなったのってその一年前だったんだってね。ちょっと悪いことしちゃったかな…。」
あぁ、そういえば。ゆかりさんというのは、父さんの前妻で、つまりオレの産みの母。病気がちだったからあまりうちにはいなかったけど、優しい母さんだったのは覚えている。
「でも、母さん。こんなに大きい年の近い男が息子になるのって不安じゃなかったの?」
「そりゃあ、少しは戸惑ったし、お父さんにも諭されたよ? でも、やっぱり気持ちは抑えられなかったし、タカシくんのこと知ってたしね。」
そう言ってにこりと笑った母さんは、とても幸せそうだった。

3、告白

「ねぇ、タカ。今日の放課後、誰もいなくなるまで、残ってて欲しいんだ。今日、部活無いだろ?」
帰りのHRの少し前、タクに耳打ちされた。そういえば、今日はカイさん遅くなるって言ってたな。
「……分かった。」
部活のない今日は、この後帰って寝ることしかないくらい暇だ。オレはは笑って答えた。
放課後になった。みんなが帰ってゆく。そして、先生も教員室へ戻っていった。
「…で、オレに話があるんだろう? タク。」
オレは、オレとタク以外誰もいなくなった教室の異常なくらいの静けさを破るように、口を開いた。
「うんっ…。えと、その、……好きなんだ、タカの事が。あの、いつからか分からないけど、いつの間にか、タカの事すごく好きになってた…! それで、…返事は今じゃなくていいって言うか、その…できるだけ、よく考えて欲しいんだ。…きょ、今日はこれだけだから。残っててくれてありがとう! じゃな。」
「あっ…タク…!」
言いたいことだけ言い切って、オレの止める声も甲斐なく、タクは足早に教室を去っていった。
まさか、告白とは思わなかった。タクがこのところ上の空だったのはこれのせいなのか? そうなら、オレに相談できるはずないよな…。どうする? 今から追いかけて返事をするのか? …イヤ、なんて答えるのが正解なんだよ…。待て待て、タクはよく考えろて言ったんだ。そんなに簡単に答えを出していいわけがない。そうだ、せめて一晩、一晩よく考えてみよう。

考えるべきポイントは3つ。まず、男同士であること。その点は、何ら問題ない。タクはそこらの女子より可愛らしい。クリアだ。
次に、オレがタクをどう思っているか。この辺りは少しグレーだな。オレはタクのことをずっと親友だと思っていて、タクのように恋愛対象にはしたことはなかった。けどこの間、タクがカイさんに抱きしめられたのを見てしまった時、なぜか胸のあたりがちくりと痛んで、変な独占欲が生まれたのは覚えている。…結局あれは一体何だったんだ…? いつから、タクはオレのなんて、変な感情が芽生えたんだろう。…まだ、わからないな…。
そして、最大の問題。母さんのことを諦められるか。そうだ、こんな叶わない恋なんかやめて、自分のことを好いてくれている、それなりに好きな人とと付き合えばいいんだよ。簡単なことじゃないか。…イヤ、違うな。それなりになんて、タクに対して失礼すぎるだろ。悪魔のオレもいい加減なこと言うなよ。それに、そんなに簡単に諦められるなら、とっくに諦めてるさ。だって母さんは、昔からオレのこと知っていて、その上で父さんを選んだんだもの。初めから答えなんて出ているのに…出ているのに諦めきれないオレって、ホント情けねぇ。
………っダメだ! 全く答えが出ねぇ!! こうなったら、今の気持ちを、ありのままに、正直に言おう。それがきっと…正解だ。 

翌日、いつものように登校する。
「タク、話がある…! 放課後、屋上にいて欲しいんだ。」
意を決して言った。当然、昨日の返事だ。
「うん、了解。」
タクはいたって冷静だった。
オレは、一日上の空のタクをずっと見つめていた。
放課後になった。今日は部活があるから、話が終わったらすぐに部活に出られるように、先に着替えを済ませた。
タクを待たせているのはわかっていたから、急いで屋上に駆け上がった。
「お…遅くなって、ごめん…!」
オレは勢い良く扉を開けた。
「大丈夫だよ。とりあえず座って。落ち着こう?」
オレは頷いて、タクの隣に腰を下ろし、息を整えた。
「…オレなりに、よく考えてみたんだ。…」
タクは黙って聞いている。
「オレは、タクの事、好きだよ。でも、多分タクの好きとは違うと思うんだ。そんなふうに想ってくれてるのは、正直、嬉しかった。だけど、オレには好きな人がいて、いくら叶わないって言っても、諦め切れなかった…。」
「…タカの好きな人って…?」
タクは恐る恐る聞いてきた。もう、隠す必要なんて、ないよな。
「母さん、って言っても、血は繋がってないんだけどな。…父さんは、20も若い人と再婚したんだ。すごくキレイな人で、とっても優しいんだ…。」
「……そっか…。」
タクは驚いた顔をしていたけれど、どこか優しい顔になった。そして、一つ提案をしてみた。
「なぁ、タク。オレ達、まだ親友でいられる?」
「……も、もちろん…! …よく考えてくれてありがとな。僕、人待たせてるから。じゃな。」
タクは、屋上を走り出た。一瞬、目元に光るものが見えた。…涙か? その瞬間、ずくんと胸が痛んだ。この間とは比べものにならないくらい…痛い。…苦しい。タクの笑顔は、少しこわばっていた。声も震えていた。…そうか、オレはタクを傷つけてしまったんだ。オレは胸を押さえたままうずくまった。結局、部活は休んだ。

4、僕

オレは、母さんが好きだ。それは変わらない。でも最近、タクに対してよく分からない感情が、オレの中に渦巻き始めているのを感じる。この気持ちは何なのか、考えれば考えるほど答えから遠のいているように思えてならない。そして、ひとつの結論に行き着いた。ーー母さんに相談してみよう。
「母さん、今大丈夫?」
「なぁに? どうしたの?」
今になって恥ずかしくなってきた。おい、オレ! 母さんに何を聞くつもりだったんだ。でも、もう逃げられない。
「…母さん、あのさ…ちょっと聞いて欲しいことがあるんだ。」
「なぁに? ウフフ。珍しいこともあるものね。」
ゔぅ…からかうなよぉ。
「…オレ、この間告白されたんだ…!」
「ぇえ?! よかったじゃない? 返事はどうするの?」
母さんは目をキラキラさせて聞いてくる。どうしよう、断ったとか言いにくい…。いやいや、言わなきゃ話が進まねぇ…!
「ぁ…や、だから…その、こ、断ったんだよ…! で、その…相手は納得して帰ったんだけど、……目に涙が見えて、それ見たらなんか胸が痛くて…。母さんならなんかわかる?」
我ながら何を聞いてるのかわからなくなった。ヤベェ…、めちゃくちゃ恥ずかしい。
「そうね、わからなくもないけど、その前に…!」
「え…?」
「な・ん・で、断っちゃたのよ! あーあ、お母さん彼女見たかったなぁ。」
チラリとオレを見やる。…もしOKしてても彼女ではないがな。
「オレにだって、好きな人いるし…。」
「ぇ、そうなの? 全然気づかなかった! …その子に告白はしないの?」
気づかれないように振舞ってたんだよ…!
「…告白なんて、できるわけない。」
「どうして? なんかできない理由でもあるの?」
「…理由も何も、オレが好きなのは母さんだからだよ…!!」
…しまった! ずっと隠してきたのに…。問い詰められて爆発してまった。母さんもキョトンとしている。
「い、いつから?」
…もう、どうとでもなれ!
「…初めて出会った時からだよ…! 母さんは覚えてないと思ってたみたいだけど、オレはずっと覚えたんだ…! 優しい笑顔も! 綺麗な顔も! 暖かい手も! オレだって、一目惚れだったんだ! …だから再び会った時は運命だと思ったし、もっとずっと好きになった。でも、母さんが選んだのはオレと再会する前に会ってた父さんで、ずっと一緒にいられて嬉しいはずなのにもどかしくて、いつしかこの気持ちに気づかれないように振る舞うようになって、…挙句…親友の告白に応えられなくて…傷つけて…。オレ、最低だなぁって…。」
いつの間にか、涙が溢れて視界がぼやけていた。
「…そっか、…そうだったのね。ごめんね。ずっと気づかなくて、ごめんなさい。…でもね? これだけは言わせてほしいな。多分ね、お母さんは再会する順番が逆でも、昔一目惚れしたお父さんを選んでたと思うわ。」
「…そんなことわかってるよ。でも、好きだったんだ。」
そう、好きだった。全部告白して、吐き出して、そして、何故か吹っ切れた。
「…そっか。」
母さんは、察したかのように、優しい笑顔を向けてくれた。
「さて、じゃあさっきの答え!」
母さんは、オレが落ち着いたのを見計らって元気に言った。
「答え?」
「あらぁ? 自分がさっき何を質問したか、忘れちゃったのかにゃあ?」
「あ…。」
告白前に質問したのを忘れてたのと、母さんの可愛らしい仕草のダブルコンボで、オレは赤面した。
「お母さんが思うに、その告白してきたタカシくんの親友ってのは、タクちゃんかな?」
「ぇ、なんで親友って、…あ!」
「思い出した?」
オレは、告白の最後に勢いで言ってしまった言葉を思い出した。母さんはクスクスと笑っている。
「タクちゃん可愛いもんねー。お母さんが同じ立場だったらOKしちゃうかも!」
「…もう、冗談はよせよ。」
「冗談じゃないわよ? だって、タクちゃんに告白されても嫌じゃなかったんでしょ? 傷つけちゃって、胸が痛くなっちゃったんでしょ? その前にも同じような痛みがあったんじゃないの?」
「ま…まぁ、あったけど…。なんか変な独占欲が芽生えて…みたいな。」
「なんだ、わかってるじゃない。じゃあ、お母さん必要なさそうね。…後は、自分で、考えるのよ…!」
ぇ、答えは? なんて口を挟めないくらい、サッサと話を切り上げられてしまった。…考えろ! たって散々考えたっての…。

…だけど、母さんを諦めることができてしまった…。タクと付き合うにあたっての大きな問題が消えたんだよなぁ。いやいや、タクは既にカイさんと付き合ってるじゃねぇか…! やっぱり好きだなんて、ほんと今更だよな…。
ズキン…
ズキズキズキ…
ヤバイな…。苦しい…。そうか、オレ、タクのこと、本当の意味で好きだったのか…。痛みで浮かんだ涙を拭うこともせず、オレは自分の部屋のベッドに倒れこんだ。

オレ、今度こそ、本当にタクのことが好きだ。
だからオレも想い続けよう。
タクがオレを想い続けてくれたように、ずっと…。

僕2 タカシSide

更新長らくお待たせ致しました。ここで一旦高校生編は終わります!
大学生編も鋭意執筆中なので、更新また遅くなると思いますが、よろしくお願いいたします!

僕2 タカシSide

はいっ! 出ました僕2~! … はい、落ち着きます。(^^;; 2ということですが、これはその後、ではなく、もう一つの物語的な感じで進めてまいります。 これだけ読んでもいいんですが、できれば前作から読んでいただきたいですね。

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-12-04

CC BY-ND
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CC BY-ND
  1. 1、性癖
  2. 2、想い人
  3. 3、告白
  4. 4、僕