復讐


己の理を犯す高揚感は酷く無様で、
安らかに、たおやかに醜悪だ。
罪悪感で己が潰れ、四散しそうになる。
溺れた金魚のように空気を求める。

子供が羽虫を潰すように、
目の前の人に誰かの影を映すように、
何処までも無邪気に、何処までも背徳的に、
長く、永く張り巡らせた導火線に火を!

この瞬間だけを待っていた!
油断なぞ、有りはしない。
生憎心は鉄で出来ている。
けれど――何処かで制止を求める声がする。
それは業火に焼かれる行為。
あるいは大岩に剣を打ち付ける行為。

思考停止、感情抑制、再起動。
自らにかける問いは目標。
かけた呪いは疫病のように、
己の根幹をのみ込んで行く。

折れず曲がらずただ強く、
摩耗し破綻しただ壊れ、
理想を捨てなければいけなくなってしても
目を塞いで耳を瞑って火をくべる。

復讐

没にしました。どこかの月の型っぽい雰囲気を感じても内緒です。
取りあえず、中二っぽくしたかった。

復讐

ちょっとしたことから、恨みって買いますよね。 食べ物、お金、恩――。 聖人は恨みを己の力で何とかするだろうけれど、善人の僕は何とかできない。 良心の呵責に囚われながら、それでも実行する。そんなお話。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • サスペンス
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-12-04

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