復讐
己の理を犯す高揚感は酷く無様で、
安らかに、たおやかに醜悪だ。
罪悪感で己が潰れ、四散しそうになる。
溺れた金魚のように空気を求める。
子供が羽虫を潰すように、
目の前の人に誰かの影を映すように、
何処までも無邪気に、何処までも背徳的に、
長く、永く張り巡らせた導火線に火を!
この瞬間だけを待っていた!
油断なぞ、有りはしない。
生憎心は鉄で出来ている。
けれど――何処かで制止を求める声がする。
それは業火に焼かれる行為。
あるいは大岩に剣を打ち付ける行為。
思考停止、感情抑制、再起動。
自らにかける問いは目標。
かけた呪いは疫病のように、
己の根幹をのみ込んで行く。
折れず曲がらずただ強く、
摩耗し破綻しただ壊れ、
理想を捨てなければいけなくなってしても
目を塞いで耳を瞑って火をくべる。
復讐
没にしました。どこかの月の型っぽい雰囲気を感じても内緒です。
取りあえず、中二っぽくしたかった。