鑑賞記録-学習院大学女子大学パフォーミングアーツフェスティバルpafe.GWC 2013より
高田馬場駅から徒歩15分ほどにある学習院女子大学の校内、互敬会館にて観劇。ACT.1「女子大生100年日記」より、「こうしてワタシは完全になる ~1969年 ある女子大生が書いた日記より~」「放課後 女子学生1920」「40歳の女子大生 ‐女子学生2020‐」の短編三作品。
学内ツアー形式で各作品をそれぞれ違った空間にて観てまわる。ポイントは劇場という恣意的な空間を抜けだした、現実的世界感覚の延長線上にて催される点であろう(「女子大」という響きがちょっとした高揚を与えてはいるが)。学校という一つの世界には、至極当然のことながら、学生がいて、ラウンジがあり、生活の色合いが黙々として広がっている。そこへ意図して異邦人「役者」が登場したと思いきや、ときに反発、ときに寄り添いながら、私達の生活を次々ねじ曲げ始める。いったん空間が虚構に取り込まれてしまえば、そこに存在する事物は途端に沈黙をやぶり、口ぐちに主張をしだす。テーブルから階段から、天井のこじゃれた照明から、さきほど通ってやってきた硝子越し外の風景までもが。それは、私達が日常的に目にする「それ」であるようでなくなってしまうのである。
この“いびつで未完”とも言うべき不可思議な体験が、劇場で統制された物語にはし難い偶然性でもって、私達を魅了してくれるのである。
鑑賞記録-学習院大学女子大学パフォーミングアーツフェスティバルpafe.GWC 2013より