エゴイズム 第2話
ちょっと遠い未来。
その未来では超能力を使える人が少しいる。
ただ、まだ超能力者を知る人はまだ少ない。
そんななか、超能力を悪用する者もいる。
人知を超えた力に警察は、なされるがまま。
警察の権威がなくなりつつあるために、自衛隊が台頭。
自衛隊附属中学校、高等学校が続々開校される。
しかし自衛隊でも超能力者による犯罪に手を焼いている。
業を煮やした政府は賞金首制度を半ば強引に公布し施行した。
この制度により市民、軍人という隔たりはなくなりつつある。
このような混乱している時、上文(かみふみ)ハイツの永治幸平(ながやこうへい)たちは行動を起こすのであった。
4月6日:永治が眠い理由
午後11時30分にある女性が殺されそうにになったらしいことが警察の調査でわかったらしい。
事情はこうだ。
仕事の帰りに歩いていたら突然、横道でパァンッ!という破裂音がしたらしいので気になって覗いたところ、何かが破裂した肉片があった。
彼女はその肉片になるような予感がし、少しでもその場から吐きそうになりながらも立ち去ろうとしたところ外国人の男が現れ追いかけてきたらしい。
その外国人から逃げなければ。
警察に通報するなんていう思考はない、ただただ逃げなければ。
その感情が彼女を動かすのであった。
「あ、逃げ道が・・・!!」
袋路に入ってしまいとっさに逃げ道はないかと周辺を見ていたところで外国人のズボンが目に入った。
そのズボンは血に染まっており、彼女はついに足元がすくんでしまった。
そのとき、外国人の後ろから機械音まじりの、ドボルザークの「新世界より」の口笛が聞こえてきた。
口笛の吹いていると思われる人は機械音のような声で
「そこまでだ。」
「マダオワリナイ。」
と外国人は片言の日本語で言い返す。
沈黙のあと、みぞおちあたりに機械音の声の人が蹴りをいれたら外国人は気絶してしまった。
そしてその外国人をかついでどこかに行ってしまった。
水銀灯に照らされたその姿は白い仮面、フード付きの黒コート、黒のズボンであった・・・。
その後警察が来て彼女は無事に保護された。
外国人はというと賞金首にかけられていた人物であって市民に逮捕され、警察に身柄を引き渡されたとの情報である・・・。
エゴイズム 第2話