つれまに
トシャブツです。
「徒然なるままに」
夢
夢をみました
1人の女の子が教室に閉じ籠る夢でした
僕は女の子の事は、よく知りませんでした
でも、その時は1番近くにいました
夢は教室が解放されて終わるのですが
ついに、僕は何もできずにいました
周りの人間も、野次馬だったり、僕を怒鳴りつけたり、僕と同じように出来ることがあるのに何もしなかったり
夢だからなのか、とても異様でした
でも、よく考えたらこれが普通なのだろうとも思ってしまいました
普通を免罪符にした自分も気持ち悪い
あめ
コツコツ
窓を叩く音で僕は目が覚めた
まだ夜の帳が開けていない時間
コツコツ
私の頭を叩く感触が冷たく感じた
傘を忘れてしまった
コツコツ
私の身体は冷え切っていた
夜の帳も降り切った時間
コツコツ
寒さからか感情からなのか震えが止まらない
家に足が向かわない
カメリア・ヒエマリス
寒さに負けるなヒエマリス
花を咲かせろヒエマリス
僕は君を待っている
君が僕に輝きを見せる日を待っている
がんばれヒエマリス
綺麗なヒエマリス
一枚の白黒写真
人は争う
自国のエゴイスティックの為に
商人の利益の為に
信じる正義の為に
国には人がいる
世界中のどこにでも人はいる
子供もそこにいる
子供は無邪気に笑う
死体が増える
何が悪いと言うつもりはない
私にはその権利はない
ネズミも増えすぎると横の者を喰らう
私は心を空にして命に従う
引鉄をひいた
Beautiful name
ピ………
ピ………
黒い小さな窓にはぐちゃぐちゃな山と谷が緑のラインで現れる
僕は眠る君の手を握っていた
君は深い眠りの中にいる
君にはただ眠っているだけに思えた
ピ………
ピ………
僕は君の手を握っていた
何度も絡めた彼女の手を
握り返してはくれない彼女の手を
ピ………
ピ………
僕は君の手を握っていた
ピクリと君の指が動いた気がした
確かに動いたのだ
「———?」
「———?」
僕は君の名前を呟いた
僕は君を起こそうとした
僕は自分の無力さを呪った
「———!」
「———!」
僕は君の名前を何度も叫んだ
そして、気づいてしまった
君のその名前がとても……
ピ———
くろやみ
パキッ
私は何かを踏んだ
軽い音と軽い感触が身体を突き抜ける
くらいくらい闇の中
しずかなしずかな闇の中
五感を奪われた様なこの世界では
貴重な感覚
私は足を地面から離してみた
私は足を地面に下ろしてみた
そこには何も無かった
さっきの感覚はもう味わうことができなかった
歩いていると
私の手の甲に
暖かくて柔らかい物が触れた
貴重な感覚
それは一瞬の出来事で
私は離してしまうのが惜しくなり
振り返って手を伸ばした
……だけど、手は虚しく空を切った
私は声をあげた
この世界は私の声を飲み込み
自分の耳にすら届かなかった
赤色の雨
一週間も降り続いた雨が止んでいた
雨は血の様な赤色だった
雨は血の様な暖かさだった
雨は血の様な錆の匂いがした
不快ではなかった
村の人々は口々に理由をつけたがった
自然の災害だとか
神の怒りだとか
未知の生物の仕業だとか
僕にはそんな事はどうでもよかった
僕は本当の理由を知っていたから
ポアンカレ予想
だれかは
この世界は丸い
と言った
だれかは
この世界はドーナツ型だ
と言った
だれかは
この世界は本の中の1頁だ
と言った
だれかは
この世界は色々な形の集合だ
と言った
僕にとって
この世界はあまりにも大きい
と思った
同時に
この世界をもっと知りたい
とも思った
小さい羽
産声をあげた小さな雛鳥
僕を見ている
僕に一生懸命ついてくる
小さくて
可愛くて
簡単に壊れてしまいそうで
僕はこれから先
この子に何をしてあげられるだろうか
この子に全てを捧げられるだろうか
この子に幸せな将来を与えてあげられるだろうか
雛鳥は傍でじっと僕の事を見ている
カナイ
あなたの願い事を一つ叶えて差しあげましょう
見返りはいりません
あなたの願い事をもう一つ叶えて差しあげましょう
ただの気まぐれでございます
あなたの願い事を最後にあと一つだけ叶えて差しあげましょう
いえいえ、本当に結構でございます
あなたが笑顔になってくれれば
それで、十分でございます
そこまで仰るのなら一つだけ私の願いを叶えてくださいますか?
ええ、一つで十分でございます
私に笑顔を見せて頂けませんか?
暖かい雪
雪がつのる
しろく
不思議とあたたかく
人肌に触れ
溶けていく
白き者達の黒き童話
黒き吸血鬼は白き女の血を啜った
白き女は全く抵抗しなかった
黒き吸血鬼は白き女の血を啜り続けた
黒き吸血鬼はとても優しく女を抱いていた
黒き吸血鬼は白き女の血を啜り終えた
黒き吸血鬼は白く染まった
白き吸血鬼は女を優しく抱き続けていた
白き女は深い眠りから覚めることはなかった
少女の問い、僕の答え
ねぇ
きみはなんで死んでるの?
それは
生き方が分からなくなってしまったからだよ
歩み
僕は歩む
目標は無い
もしかしたら
あるのかもしれないけど僕には教えられていない
雨が降り
風が吹き
辛くなって
僕は泣いてしまう
でも
それでも
僕は歩く
君想フ草
君を僕のものにしたかった
手が焦げついていた
君に近づきたかった
足が凍りついていた
君と話がしたかった
声が錆びついていた
君に気づいて欲しかった
僕は存在しなかった
巨人の右肩
僕の目に映るものはすべて幻かもしれない
僕の目に写るものはすべて存在しないかもしれない
大切なものはいつも消えて亡くなってしまってから
大切だったことにきづく
僕の目はふしあなのようだ
この眼窩にはなにも入ってはいない
ここにあった眼球も
もうそこにはいない
ほら
またきづけなかった
こことそこ
僕はここにいます
今はここにいます
明日は違うところにいるとおもいます
昨日はちがうところにいたから
カミサマに近づきたいから
他の人よりも早くあなたのもとへ
おもふこと
ふつう
じょうしき
普通ってなに?
常識ってなに?
いや
知ってるけども
僕の普通とあなたの普通は違う
僕の常識とあなたの常識も違う
あなたの普通で僕をはからないで欲しい
あなたの常識でも僕をはからないで欲しい
僕はそうあなたに願う
きっと
あなたもそう願ってる
つれまに
僕が思ってること、思ったことを書きました。
いっぱいになってきたので、「一粒の種子」というタイトルの続編を作りました。
そちらも、よろしくお願いします。