ジゴクノモンバンⅡ(2)

第二章 公園にて

 ドスン。
 ドスン。
 青太たちは大きな音を立てて尻もちをついた。
「アイテテッテ」
「イッテテテッテ」
 二人は周囲を見回す。芝生があり、植栽があり、滑り台やシーソーなどの遊具がある。ハトがエサをついばんでいる。
「ここ、どこやろか」
「どこでっしゃろ」
「人が歩きよるなあ。散歩かいな」
「ほんまでっせ。犬も歩きよりますわ」
「トイレの前でおっさんが段ボールひいて座っとるな」
「サラリーマンでっしゃろかいな。ベンチに座って、ハトにえさをやってまっせ」
「人間界には間違いないで」
「ジゴクから落ちたら、人間界だったんですえね」
「人間どもは、ジゴクに落ちると言うとるけど、本当は逆やったんや」
「これからは、ジゴクに登ると言うてもらわなあきまへんな」
「そうやったら、人間界に落ちた俺らは落ちこぼれかいな」
「確かに、青太は授業にはついていってませんなあ。この前のテストの結果、赤点だったんでっしゃろ。ほんまもんの落ちこぼれでっせ」
「赤点やのうて、青点や。赤点は赤夫の方やろ」
「ほっといとって」

ジゴクノモンバンⅡ(2)

ジゴクノモンバンⅡ(2)

第二章 公園にて

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-11-27

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