うめぼし
幼心に
祖母の作る梅干しが
嫌いであった
口腔にあの果肉の酸味が
脈打って広がるような気がした
食べずにいると
悲しい顔をしてみせるので
酸味に喘いで飲み込んだ
大人心に
祖母の作った梅干しが
嫌いである
口に含むと懐かしい酸味が
優しく広がっていく
食べずにいても
変わらぬ顔のままなのに
私は喘いで飲み込んだ
うめぼし
幼心に
祖母の作る梅干しが
嫌いであった
口腔にあの果肉の酸味が
脈打って広がるような気がした
食べずにいると
悲しい顔をしてみせるので
酸味に喘いで飲み込んだ
大人心に
祖母の作った梅干しが
嫌いである
口に含むと懐かしい酸味が
優しく広がっていく
食べずにいても
変わらぬ顔のままなのに
私は喘いで飲み込んだ
うめぼし