日本昔話「汚雌まんこ」

むかーしから むかーしから

特に嫌われている存在があります

ここに一人のブスがおりました

それはたいそうな顔の持ち主で

毎日のように村人にからかわれおりました

「やいブス。気持ち悪いんだよ。これでもしてろよwww」

子供たちの純粋な言葉がブスの心を貫きます

子供たちがケタケタと笑いながらブスに般若のお面を投げつけ

川へ魚を見に行ったのでしょう 散り散りにいなくなってしまいました

ブスはしくしくと 泣きました

ブスの涙です それはそれは醜い

この世のものとは思えぬ姿でした

このような泣き顔をして村に帰ればまた虐められる

そうブスは考え 

泣き腫らしたブス顔を 足元の般若のお面で隠しました

夕暮れを待ち 村の人間が家に帰った頃ブスは村へ入ります

陽の照る時間の入村は 彼女が生まれてしばらくして禁じられてしまいました

般若のお面をかぶり ブスは真っ赤にそまる湿田を超え

ブスの寝床に帰ります

もちろんたいそうなブスですから

住まいもブスです

ブスの肌のような むき出しの地面に藁を敷き

ブスの髪のような 雨漏りのする藁屋根のある家が

ブスの住みかです

もちろん村の外れにあります

そのブスな住まいへ帰ろうとしたときの事です

陽も沈み誰もいないはずの村道から声がひそひそと聞こえます

こんな時分にどうしたことかとブスは声の鳴る方へ足を向けました

ひそひそという声が だんだんと湿り気を帯び

声の主に近づきます

目と鼻の先には畦が一つ

どうやらその畦の裏から声が聞こえるようだ

ブスは畦をのっそりと超えて様子をうかがってみると

そこには 村一番の乱暴者の与作と村一番の美人の姫子がいました

実はこの二人恋仲にあったのでございます

「やめてくださいませ与作様。このような所で・・・」

「良いでは無いか姫子よ。今宵は夜が深い。誰も来やせんわ」

「あぁっ与作様 与作様 与作様」

ブスはたまらなくなりました

同じ雌である姫子の血色の良い顔

あの表情が忘れられませんでした

のっそのっそ

ブスは寝床へ帰ります

のっそのっそ

既に辺りには夜がやってきていました

真っ暗な村道を 楽しそうな家々の囲炉裏の灯火を頼りに

のっそ のっそ

ようやくブスは自分の寝床へ着きました

床につくと 頭がいっぱいになりました

姫子のあの桃色の肌が・・・

ブスはそのまま眠りにつきました

丑三つ時を迎えた頃でしょうか

ガサガサと物音にブスは起こされました

こんな夜中にどうしたもんか 貉でもでよったかいな

ブスの心臓は緊張で今にも張り裂けそうです

ふと何かがブスの肘の辺りを触りました

ひやぁっとブスが声をあげるかあげないか

そこには数人の流浪の者がいました

ブスは恐怖で腰が抜け

のどがつっかえて 喋ることができません

その姿をみて流浪の者たちは ニヤニヤと笑いながらブスに近づきます

ブスは思い出しました 私はブスなのだと

私の顔を見て逃げ出さない男はいないと

ブスはつけたままの般若のお面を取ろうと後ろへ手を回します

その時です 辺りに何とも言えぬ匂いが立ち込めました

何とも臭いような香るような・・・・

何とも言えぬ匂いがブスを包みます

ブスが目を凝らしよくよく匂いの元を探ると

今まで一度と見たこともない それはそれは大きな大きな男根が何本も

ブスの近くへ 近づきます

ぷーんと 独特の匂いをさせながら・・・・

夕暮れ時の与作 桃色の姫子の事を思い出します

ブスは後ろ頭に回した手をひっこめ

薄い着物を脱ぎ棄てました

なんとも汚い体でございます

あちこち どこぞと 何の悪戯か

凸凹と肉が付き

肉の上からその太い太い骨の重厚さが伺えます

それを見ても流浪者 都で女も買えぬ者たちです

ブスでも女にゃ変わりない

えっさ ほいさ えっさ ほいさ

ブスの穴と言う穴に男根を突き付けました

獣同士のまぐわりは薄らと 陽が昇るまで続きました

それからというものブスは毎日夜が好きになりました

昼間は小作をしていても嫌がらせをされ

詰られ 殴られ 笑われて

それでもブスには響きません

何時ぞやの般若のお面もどこやらと

今 ブスの中に 般若あり

いくつも 男根咥えこみ

えっさ ほいさ 腰を振る



ブスは幸せです

えっさほいさと

幸せです

ああ厭らしい獣のお話でありました

日本昔話「汚雌まんこ」

日本昔話「汚雌まんこ」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 時代・歴史
  • 成人向け
更新日
登録日
2013-11-17

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