スイッチ

スイッチ

「ハアハア、、」

「ハアぁ」


ここは10階、ステージ10だ
数々の困難を乗り越えて強敵を倒しついにここまでたどり着いた

ああ、そういえば5階のBOSSは強かったな

無数の傷がそれを語る

だが傷に構う暇などない
もともと生き別れた【アイツ】に会うためにここに来たからだ!

ステージ10
この部屋は他のステージに比べるとかなり狭く道がそこそこ長そうだ

そんな事を思っているとゾンビ的なのが襲ってきた。
だがそう焦ることもない、剣を大きく振りかぶりそのまま「スパっ」っとイチコロだった。今まで積んできた経験値は無駄ではない

道を進んでいくと扉があり
またゾンビ的なものがその扉を通すまいと毛の生えた槍を持って構えている

「オリャぁあ!!」
とまた剣を大きく振りかぶり一撃を食らわせようとしたが、振りかぶり過ぎが仇となり、逆に急所を突かれてしまった

「ぐはっ‼︎」
声と一緒に血の塊が出てきた
だが、あともう少しというとこで主人公が倒れるわけにはいかない

こういった状況こそ主人公パワーの見せ所である

みるみる力が湧いてくる
急所を突かれたとは考えられないほどのスピードでゾンビ的なやつの懐に入り正中線に一発お見舞いしてやった

ついにやった
多分、こいつがラスボス的存在だったのだろう

そして、扉の前に立つ。

この扉を開ければ【アイツ】に会える
何年振りだろうか

そう思いながら扉を開けると…

そこには誰もいない

真っ白な部屋であった

中央あたりにスイッチらしきものがあった

スイッチを見ていると無性に押したくなってきた
【アイツ】に会える気がするのである

スイッチを押した
「カチ…」

「‥」
だが何も起こらなかった

そんなはずはない

もう一度押した
「パチ…」

「‥」
だがまた反応がない

そろそろ体力の限界だった
残りの全てをもう一度に賭けた


「ポチ…」

えっ
あれはまさか…
そうそのまさかである
【アイツ】にやっと会うことが出来たのである!!




そうポチに。

スイッチ

スイッチ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-11-15

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