樹皮
秋と冬、間もなく交代ですね
寂しくなりませんか
私は渇いてます
瑞々しい時は、別れを告げ
今はなんとか一人、やってます
木々の色付きは土に還り
地に積もりました
乾いた風は、皮膚を刺しながら
私に似た虚ろな仲間を集めます
傷ついたわけではありません
眩い季節を疾走し
純白Tシャツは心地よく濡れて
私もアナタも熟す寸前。
だけど、互いの重みに耐えきれなくて
枝から旅立ったよね
私は渇いてます
今はなんとかやってます
私と似た大勢の他人に囲まれて
寂しくないのかも知れません
ただ、渇いてます
アナタの肌の温もりや
アナタの心地いい冷たい肌
忘れそうで怖いのかも知れません
樹皮