ベガーズオペラ

2008/2/20.21日 『ベガーズ・オペラ』梅田芸術劇場

原作=ジョン・ゲイ

演出・脚色=ジョン・ケアード

出演

内野聖陽:マクヒース(マッコリ)

高島政弘:ピーチャム(ジョン・ジョンソン)

森公美子:ピーチャム夫人・ダイアナ・トレイプス(モリー・コシファン)

笹本玲奈:ポリー(マーガレット)

村井国夫:ロキット(ジェイムス)

島田歌穂:ルーシー(エリザベス)

橋本さとし:トム(フィルチ)

近藤洋介:老役者

その他

今回は再演なのでここではストーリーは省きます。

詳しい事は2006年1月の観劇日記に書いてあるので、そちらを見て下さい。

初演とは雰囲気が変わったと聞いたのだが、それは多分熟成してきた、煉れてきた、ということではないか?

上演時間を短くする為か、削られた場面もかなりあるようだが、基本的な所は変わっていなし、返ってすっきりとタイトになって良くなったと思う。

まず最初に登場する老役者、初演の金田さんは、本当に老役者(笑)だったが、再演では近藤洋介さんに変わり、若々しくてかなり元気のいい「老役者」になっている。

でも金田さんの老役者、味があってとっても好きだったのになぁ?! 残念だ。 お元気なのだろうか? 気に掛かるところだ。

私はこの作品でもっとも好きな場面は島田歌穂さんが歌う『女狐の願い』のシーン!

今回は特にルーシーの「あんたはあたしを愛していないけど感謝して」・・・、そして女心の悲しさを歌う歌穂さんの切々とした歌声の素晴らしさに涙が出そうになった!

♪?空しく森にこだまする 女狐の泣き声

愛する夫は逃げる 狐狩りの魔の手から・・・、

震える心 凍らせる猟犬たちの鳴き声

何処へでも逃げ延びて それが女狐の願い。

二度と会えなくても、私のこと忘れても

愛がきっと導くわ あなたを約束の地へ?♪

この歌を聞く時だけは、マクヒースのいい加減さが憎たらしい?っ!という気になってしまう(笑)

そのマクヒースがルーシーのおかげで逃げ延びたにもかかわらず、娼婦たちを侍らせ楽しんで居る秘密の館、だがここでジェニー・ダイヴァー(入絵加奈子)トスーキー・トードリィー(山崎直子)に裏切られ捉えられるのだが、初演ではこの娼婦二人がマクヒースが捉えられた時、心ならずといった風情で、とても悲しそうな顔をしたが、今回はニヤニヤと笑い、嬉しそうにお金を受け取った。こういう解釈が違うのはどうなのか? チョット違和感あり。

再演で衝撃的に変わったのが(笑)森くみさん演じるダイアナト・レイプスのメークだろう! 初演でも凄くて森さんだとは判らないくらいだったが、ネタバレしていいか? 迷うけど・・・、「オペラ座の怪人」です(^-^)/

で、私が書きたいのは、初めて座ったステージサイド席から観た『ベガーズオペラ』!(笑)

最初ステージ席が当たり、それが最前列だとわかって、客席からの視線を浴び続ける勇気のない気の弱い私は(笑)、現地で後ろの人に変わってもらおうと考えていた。

だが偶然にも同じ方と3公演ずーーっとお隣同士だとわかり、俄然元気が出た!

でも座って良かった?!

2幕、赤いコートを着て登場したマクヒースが歌いながらステージ席のお客さんにバラの花を渡すシーン、ナント内野さんが私にくれたーーーーっ! (^O^)/ 

渡してくれた後ワッという顔をした気がしたけど、それも定かではないくらい 舞い上がっていました?(笑) 勿論バラの花は造花だけど、このシーンが終わったらスタッフさんが回収に来るのかなぁ?と思い、ずーッと手に持っていたが誰も来ない。休憩時間に階段の下に居た案内嬢さんに訊ねたら、どうぞお持ち帰りくださいといわれて、良い記念になるわ?と有り難く頂いて帰った。いま花瓶に挿してある(*^o^*)

舞台が始まってすぐにベガーのマッコリ(内野聖陽)がステージ席のすぐ側に寝そべる。何を言っているのかは聞き取れないけど、センターに立って観客に向かって話しているトム(橋本さとし)の言葉に一々反応している(笑) 勿論汗が飛び散るのも間じかに見える。

このように当然のことながら舞台上の役者さんとの距離がすごく近い。だから独り言のように呟く言葉まで聞こえてくる。それがベガーの言葉なのか、役者さんの素の言葉なのか判らない時も有った。一幕の休憩時間に舞台の中央辺りでマットさん(三谷六九)さんの靴も靴下も脱がせて、2・3人の役者さんが足のマッサージをしていた。後で聞けば痙攣を起こしたらしい。それなのにマットさん、気が付けば3階に上がって観客にサービスしている(笑)3階席でわぁ?っと笑い声が起きていた。その時マットの親友のベンさん(照井裕隆)が、誰に言うとも無く「アレッ!3階まで上がっているよ?!あんなとこまで行くから足が攣るんだよ??」 優しい心使いが伝わってくるような呟きが聞こえた(^^)

この翌日マットさんはの差し入れの中に「バンテリン」が有ったよ(^^)

余談だけど内野さんが「風林火山」の最後の頃、身体全体がとってもむっちりとしていたのがすごく気になっていたので、近くでまじまじと見たけど(笑) 腿からおしりにかけては確かに太めかな?と思ったが、衣装がおしりまで隠すので腰の太さは判らないし、決して肥っているとは思わなかった。動きも軽快だし・・・。だが友人が観た日に2幕の始まりが遅れ、その後足を引きずっていたと聞いていたので心配だったが、見ている限りでは元気そのもだったので安心した。

舞台上には白いチョークのような物で丸や箱を置く場所を示すかぎ状の印が幾つも付けてあった。3階建ての舞台の一番下にはその箱が沢山押し込んである。箱を運び出すのはスタッフさんも居るけど殆どが役者さんの仕事。その箱なんだけど箱の裏側には滑りやすいようにこま(?)のような物が取り付けてあるのかな?舞台の板の上を余り力を入れないでもするすると動く。だが2幕の追い剥ぎの場面、この箱を積み上げていくのだが、これが滑ったら大変だよ?! 大丈夫か?? 箱の上には机が載り、その上に人も乗る。もう?冷や冷やした。これは舞台上から見た方が客席で見るよりよほど不安定な状態だった!

それと初演の日生劇場と比べて梅芸のステージがかなり狭いのだろう。このセットも舞台の淵ぎりぎりの所へセットされていて、それが余計危ないなぁ?という気になった。

マクヒースや他の囚人たちが鎖でつながれる牢屋のシーンの後、マクヒースが連れ出されると、舞台に残った役者さんたちが舞台上に飛び出ている鎖をつなぐ「ワッカ」をそっと舞台の穴に押し込んでいた。これが飛び出ていて足を引っ掛けたら大変だものね。

この作品、舞台上で見ていてホンとに役者さん達の動きが激しい! それに梅芸の舞台は狭いから、足を捻るくらいのアクシデントがあっても不思議ではない。

大阪公演も後もう少し・・・、皆さん怪我無く頑張って欲しい!

客席から見ていただけでは判らない色んな事が見えて、大いに収穫の有ったステージ席、最後のカーテンコールでは森くみさんに誘われて気が付けば踊りの中にいた・・・、そっちへ回るのよ!森さんの 優しいささやき声に促されて左へ回るとナント同じ輪の中に内野さんもいたよ?!そして終わった時は森さんと手をつないで最前列に並び、皆の視線を全身に受けていたなんて・・・、予想もしなかった(*^o^*)

だが・・・、板で出来た硬い椅子に3時間座り続けるのはかなり辛い! おしりが痛かったなぁ?(涙)

ベガーズオペラ

ベガーズオペラ

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-09-19

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