王様とおばさん
2008/5/31・6/1『王様とおばさん』ドラマシティ
脚本・演出?=福島三郎
キャスト
竹本真奈=宮本信子
ピリカアイエア=布施明
リリウオカラニ=羽野晶紀
水口花子=宮地雅子
福山平治=東山義久
小野雅代=土居裕子
ポポカイナ・二瓶=山地和弘
プイプイ=本間剛
ヌイヌイ=大内恵
あらすじ
竹本真菜、62歳。
最愛の夫に先立たれた後、孤独感と焦燥感に苛まれた真菜は義妹・雅代、友人の花子と共に亡き夫との思い出の地・ハワイに旅立つ。
イケメン添乗員・福山平治に案内され、三人が到着したのはハワイ・モロカイ島。
そこに建つ豪華なお屋敷で熟年女三人の楽しい生活が待っているはずなのだ。
お屋敷の管理人である陽気な日系人ポポカイナ・二瓶が不思議な忠告をする。
「知らない声で名前を呼ばれても絶対に返事はしないように。」
最初はそんな迷信など意に介しなかった三人だが・・・・・。ある夜、思い出の洞窟に一人出かけていった真菜は、
懐かしい声で名前を呼ばれる。
思わず答えてしまう真菜・・・・・その声の先には・・・・・?
その日以来、真菜の身体がどんどん弱っていく。 「知らない声に答えてはならぬ」それは迷信などではなく、
現実に真菜たちの身におこっている現実なのだ。
果たして、真菜は・・・・・。
(ここまでがぴあに紹介されていたストーリー)
南の島ハワイ・モロカイ島では、ハワイの王・ピリカアイエラと王女・リリウオカラニの二人の魂が成仏できずに彷徨っていた。
そのモロイカ島へ旅行者たちが到着した。管理人であるポポカイナ・二瓶が忠告する。
「見知らぬ人の呼びかけに返事をしないよう」だが真奈は自分を呼ぶ声に思わず返事をしてしまう。それはまさに霊界からの呼び声のだ。
声の主はピリカアイエラ王、その声は亡くなった主人にそっくりでピリカ王もまたこの世に心を残していた。それは海にさらわれ行方知れずの妻マナマナの事。
そして羽野晶紀さん演じるリリウオカラニ王女「ほんまなんじゃろか?」などと、やや大阪弁のアクセントの混じった台詞を羽野さんの何時もの舌足らずの言い方で個性豊かに演じたのがとても可愛らしく好感が持てた。ただ羽野さんの衣装がハワイなのに、まるでエリザベートが着るようなゴテゴテ衣装・・・、チョット暑苦しい(笑)この二人に仕えているのがプイプイとヌイヌイ、それと管理人のポポカイナ・二瓶の三人は霊界とこの世を行き来できる。こんな風にこの世と霊界を行ったり来たりのお話しなんだが、イケメン添乗員を演じるのが東山義久君、もう正統派の大阪弁をバンバン喋る(笑)もっとも大阪出身だから喋れて当たり前なんだけど、この大阪弁が平治の可笑しさにぴったり来るんだわぁ?!東山君がこんなにお笑いキャラが出来るなんて知らなかったなぁ?!。だけど舞台を観ている間じゅう、笑といい大阪弁といいそのまま堤慎一さんのイメージになってしまって・・・(笑)
その平治と花子はサトウキビのジュースを飲んだ所これに媚薬が仕掛けてあり二人はほんわかとした雰囲気になってしまう。そこで平治は告白する。「ほんまはダイナマイト・ソックスというダンスグループのリーダーなんです」(爆)これは実際に所属している「ダイヤモンド・ソックス」に引っ掛けたしゃれなんだけど会場は大受けだった!かなりの東山フアンが来ているらしい(^^)
ポポカイナ・二瓶の山路和弘さん、「私にはもう一つミドルネームがありまして、ホンマカイナ・二瓶といいますが・・・」(爆)お笑いキャラを結構楽しそうに演じていらっしゃいました(笑)
真奈が王の呼びかけに返事をした事から王と出会い語らいのうちに二人の迷いが消えてゆき、リリウオカラニはアメリカに征服されハワイ王国が滅亡し最後の女王になってしまった事への罪の意識が消えなかったが、そんな王女に対して花子は「ハワイはハワイよ!」と言う。こんな風に訳隔てなく語りあえた事にリリウオカも次第に迷いがなくなっていく。
そこで神に捧げる踊りフラダンスを全員で踊ることになる。宮本信子さん、年齢は幾つになられるのだろう? ゆるやかに、優雅にフラを踊る姿がとても美しかった。ダイナマイトソックスに属するイケメン平治のフラダンスはさすがに特別メニューで素晴らしい体の切れを見せてくれた。
ピリカアイエラ王とリリウオカラニ王女は迷いが無くなり成仏する。プイプイもヌイヌイも二人に従った。
幽霊が出てくるようなファンタジーとも言うべきお話だったが始めから終わりまで楽しい笑に包まれてとても暖かい気持ちになれた舞台だった。
王様とおばさん