ペテン師と詐欺師
2/16日 『ペテン師と詐欺師』 広島厚生年金会館
脚本=ジェフリー・レイン
演出=宮田慶子
キャスト
鹿賀丈史=ローレンス・ジェイムソン
市村正親=フレディ・ベンソン
ソニン=クリスティーン・コルゲート
愛華みれ=ミュリエル・ユーバンクス
香寿たつき=ジョリーン・オークス
鶴見辰吾=アンドレ・チボー
久々の厚生年金会館だなぁ?(^^)/^
舞台の中央に大きな紙幣が上下に2枚連なってぶら下がって、上段の紙幣には鹿賀さんがエリザベス女王に扮し王冠を被っている。下段には市村さんがこれも多分アメリカの大統領か誰かに扮しているらしいが、私はそれが誰なのかはわからなかった(涙) この幕が上がるとキラキラとイルミネーションの付いたピンク色の椰子の木の形をしたものが幾本か立っている。 一瞬ここハワイ・・・?と思ったが実は南仏リヴィエラという設定らしい。真ん中が回り舞台状の両側から登れる階段があり、その内側はホテルの室内と列車の中とか色々に変化する。男女のアンサンブルの踊りで始まった舞台だが・・・、今日の感想は少々辛口です(笑)
【あらすじ】
ヨーロッパ屈指のリゾート地、南仏リヴィエラ。ヴァカンスに世界中の大金持ちが訪れるこの地が、凄腕のイギリス人詐欺師ローレンス・ジェイムソンの“仕事場”だ。彼の武器は優雅な物腰と洗練されたルックス。訪れるお金と暇を持て余すレディたち相手に、「エレガントかつスリリングな秘密の恋」を仕掛けては彼女たちから「援助」を引き出し、リッチな生活を送っていた。しかも相棒は地元警察の警視総監アンドレ・チボーだから怖いものなし。ローレンスは今日もアンドレと共に、新たなターゲットである大金持ちの有閑マダム・ミュリエル・ユーバンクスを、華麗なテクニックで落とす事に成功する。
その頃、“ジャッカル”の異名を取るアメリカ人詐欺師が縄張りを荒らしているというニュースが入る。知らせを耳にしたローレンスの前に現れたのが、粗野なアメリカ人ペテン師フレディ・ベンソン。敵対心丸出しのフレディだったが、ローレンスの鮮やかな手口とゴージャスな暮らしぶりにすっかり参り、弟子入りを懇願。好奇心にかられたローレンスは、アンドレの反対を押し切り、この押しかけ弟子を受け入れるのだった。
ローレンスの教育は実践主義。次なる獲物、オクラホマから来た石油王の娘ジョリーン・オークスの「仕事」に早速フレディを投入し、二人は意外にも見事なコンビネーションを発揮し彼女を上手く引っ掛ける。しかし、所詮は生まれや性格、もちろん流儀も真逆の二人。すぐに「同じ土地に詐欺師は二人いらない」と、生き残りを賭けた勝負を始める。ターゲットに選ばれたのは、清純可憐なアメリカ人旅行者クリスティーン・コルゲート。
ローレンスとフレディ、プライドと縄張りを賭けた詐欺師とペテン師の大勝負は、思わぬ展開を見せ・・・・・。
この作品はブロードウエイ・ミュージカル、そして今回は再演なんだそうだ。
初演でとても評判が良くこの度再演に至ったとパンフレットには書かれてあったが、残念なことに余り感動はなく、特に一幕は眠気を抑えるに必死で・・・(-_-;) 二幕になってソニンさんが登場してからようやく生き返ったというか・・・(爆)
あらすじの続きは最後にベテラン詐欺師の二人がそろって若い女性のクリスティーンに手玉に取られ、お金を奪われるという落ちになっている。このクリスティーンを演じたソニンさん、私はコマーシャルでしか見たことがない方だが、歌も踊りも切れが良く、そして芝居も生き生きとして、とても好感が持てた。
それに立ち向かう市村フレディは、足が立たないという設定で車椅子で登場する。この車椅子の操作はとてもお上手だった! だが、しかし・・・(笑)笑を取るパターンが何時もの市村さんで、笑えるけどねぇ?、といった感じかな。鹿賀さんのローレンスは恰幅もよく、綺麗に梳きつけた髪に仕立ての良いスーツ姿はとてもよくお似合いなのだが、その詐欺師に騙されても、女性側にそれでもカッコいいし楽しかったから許せるよねぇ?!というくらいの陶酔感が無ければ、この物語は成功しないと思うのだが、残念ながらそれほど魅力的なお方!には見えなかったなぁ?。最初のターゲットの香寿さん演じるジョリーン・オークスは黄色を基調としたケバケバした衣装でチョットおつむも弱いの?といった感じの女性で、二人にからかわれてホテルを出たがこれでお金は儲かったの? 私にはよく判らなかった(笑)この時市村さんが客席に下りて一番前の男性客に絡む絡む・・・(*^o^*)
他に登場するのはローレンスに首っ丈のミュリエル・ユーバンクス(愛華みれ)とローレンスの相談役みたいなアンドレ・チボー(鶴見辰吾)の二人だが、最後にこのお二人は良い関係になってしまう。鶴見さんが愛華さんと歌い踊るシーンが有るのだが、歌も踊りも意外にお上手なのに驚いた!
カーテンコールで驚いた事がある! このステージ、舞台の前のオケピがあって、後姿の指揮者は金髪の方だった・・・のだが、最後に見たらナントこれが女性、慌ててプログラムを確認したらコンダクター:御崎恵さんと有った。女性の方もいるんだなぁ?!新発見!
市村さんと鹿賀さんの掛け合いは確かに笑った! だが市村さんの「笑い」の仕草は、予測どおりというかいつも通りで変わり映えしないなぁ?という感じだし、それに私はやっぱり鹿賀さんの喉にかかった歌声がどうしても好きになれない。この二人が共演したストレートプレイ「デモクラシー」は、とっても良かったのに、ミュージカルでは新鮮味に欠けるなぁ?! それがすごく残念に思えた舞台だった。
辛口を書くぐらいなら観に行かなければ良い!、そうだよなぁ?、 次回から作品選び、気を付けよう。
ペテン師と詐欺師