海を見たかい?

 何色なのかな、あの頃の景色
 夏色。春色。
 しっくりくるのは、秋色。
 寂しくて、輝きも薄れて、無駄のない
 別れたての季節。
 身体の火照りがどうしようもなくて
 身近な恋にすがった眩しい季節なんて
 僕には重すぎて、『ごめん』のひと言でバイバイ。
 本物の寂しさが、秋色夕陽に沈む。

 思い出したよ、考えてみたよ。
 輝きは夏にくらべりゃ、足りないけど。
 別れなきゃ分からない事。
 身体は満ち足りたかも知れないけど、
 醒めてしまう事は、分かっていた。
 夕べの風が気持ちよく撫でる時が、見つめ直す
 いい機会だね。
 本物の優しさが僕を照らしたらきっと
 もう一度キミを探してみるよ。
 冷たすぎる世間や、優しい狼が、
 キミを哀しませないように、
 秋色夕陽に願うよ。
 

海を見たかい?

海を見たかい?

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-11-05

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