ストーカー

良ければ読んで下さい。

ストーカー

私はドジなのだろうか。
電柱や建物にぶつかる事が多々あるのだ。
避けようとしても体が言うことを効かず、ぶつかってしまう。
ああ、私は注意力が散漫してるのどろうな、と思いつつも、自分の性格について深く考えないようにした。

そんな私はストーカーだ。
一体いつからだろうか、彼女の後をつけている。
好きだからだ、とそんな考えではない。
宿命。
言うならばこんなとこだろうか。
彼女の後ろをつけなくてはならない、つけない自分に存在価値はない、とまで思っていた。
何故だかはわからない。そういう気がしたのだ。

彼女をストーカーするのは決まって晴れの日だ。
というのも、私は晴れの日にしか彼女を発見できないのだ。
雨や曇りの日は記憶が薄れ、覚えてない。
昨日何をしたかなあ、とストーカーしながら思考することもしばしばある。
これも一種の夢遊病だろうか、と私はほくそ笑んだ。

しかし私には好都合だった。
晴れの日は幾分、通行人が普段より多く見え、よりストーカーしやすい。
相変わらず電柱にぶつかっても、人ごみに紛れて目立たない。
雨や曇りの日より存在価値をより濃く照らしてくれる、私は晴れの日が好きになった。


ある晴れた日の午後、いつものように彼女をストーカーしていると、彼女に
話しかける男性に気づいた。
髪を逆立て、革ジャンにネックレス、腰でズボンを履いている、いかにも今風な男性だった。
彼氏に気づかないなんてストーカー失格だなあ、と思っていた時。 

彼女の足元に血だまりができていた。

彼女のそれは私の足元にまで広がっており、私を濡らしていた。
彼女が地面に屈し、呻き声を上げている最中、男はトドメと言わんばかりに
血だまりの原因であろうナイフを彼女に突き刺した。

私は恐怖からか、動けず、声を発する事ができなかった。

男が彼女の眼前から姿を消すと同時に、通行人であろう人達が私を踏みつけ、彼女に駆け寄って問いかけていた。

彼女は瀕死のようだ。

なんだか私も眠くなってきた。

薄れゆく意識の中で、電柱の影と重なる私を見て、気がついた。

ああ、わたしもそれだったのだなあ、と。

ストーカー

初めて書きました。
意味が分からない、書き方が下手、単純に面白くない、などどんな評価でも頂けると幸いです。

ストーカー

彼女をストーカーする者。 その者は晴れの日に存在価値を見いだした。

  • 小説
  • 掌編
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-11-04

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