I・LOVE・YOU 愛の果ては?
2003年9月30日 ドラマシティ
「I・LOVE・YOU 愛の果ては?」
川平慈英・戸井勝海・絵麻緒ゆう・堀内敬子
舞台は正面中央より左寄りの板より3mくらい上がった所に狭いボックスが有り、ピアノ(キーボードか?)奏者(田中詞崇)とヴァイオリン奏者(工藤美穂)が舞台を観ながら
演奏をしている。この舞台の音楽は全てこの2人だけで行われるのだが2人とも中々のテクニシャン、素晴らしい音楽を聴かせて貰った。
舞台転換はその場その場の小道具はあるものの、基本的には何も描かれていない壁があるだけでとてもシンプル。そしてたった4人しか居ない役者さんが18の場面に出てくる為
の衣装の早代わりが大変だったろうと思った。
この4人が様々なシチュエーションで、直面しぶつかり合う男女の思惑を16話のオムニバス形式で語られる音楽劇、その中に出てくる会話には思わずフフフッと笑い出したり、
そうかもね!と身に詰まされる様な事例が沢山有った。初めてのデートに臨む男女の心情、何を着て行こう?・・・そして恋人時代、もう少し踏み込んできて欲しいのにお互い
スケジュールが一杯で忙しいと見栄を張る2人。喋り続ける男性に調子を合わせながらも白けまくり、いい男が居ない!と嘆く女性。女性の意見を入れメロドラマの映画を
見ながらもアクション映画が見たいといらいらして、ポップコーンを頬張って居る内にメロドラマの世界に引き入れられ大泣きをする男性、4回目のデートでもベットに誘って
くれない男性に「どうして?」と迫る女性、しくじりを怖れる男はおたおたして・・・。さぁ婚約発表だ!と喜ぶ両親に「よく話し合った結果2人は別れることにした」、それが
2人の出した結論なら何も言う事はないと言いながら婚約者の女性の身勝手さをとことん指摘する母親、こんな話から人生の終わりに近づいたお葬式の会場で出会った年老いた
男女にでも恋は芽生える、と言ったお話まで大笑いしながらも最後にはギクッとしてわが身を振り返る。そんな歌ありダンスありのとても楽しい音楽劇でした。
只残念な事に私は大笑いしながらそうよそうよ!と頷きながら聞いた、とてもエスプリの効いたしゃれた台詞も、終わって見れば頭の中からきれいに抜けてしまっている(爆)
一体私は何を観ていたのよっ! 情けない!・・・何時もそう思う(笑)
川平さん、歌もダンスもTVでおなじみの早口の洒落た喋り方も違和感なく、説得力のある演技で好演だ。宝塚出身の絵麻緒ゆうさん、踊りはさすが宝塚!決め方は宝塚の舞台
そのまま、しかしお芝居になると硬さが残る。宝塚時代は男役だったそうでそう言う意味では女性としての華に欠けるか?堀内敬子さん、四季出身だそうだがこれが自然体で歌も
踊りも演技もとても素晴らしい!活き活きとした表情にクルクルッとした目がマッチしてどの場面の女性もそれぞれに魅力的だった。
そして戸井さん、エッチな会話には少々引き気味か(笑) でも声は良いしスタイルは申し分ないし踊りもステキ! 劇中でタンゴを踊るのだがこの時の衣装がなんとも
オカシかった! 最初はジャージの上に赤いTバッグのようなものを着けて生真面目にタンゴを踊る。踊りの間にチョコッと袖に引っ込んでは色々な付属品を付け足して・・(笑)
でもとても確かなステップで真面目にタンゴを踊る、もう大爆笑だった! あのハンサムな戸井さんがこんなコメディでもこなせる!大発見だ!しかも大汗を掻いて一生懸命
なのだ・・(笑)好感度が大幅にアップした!
もう一回観たかったな・・・、この作品はブロードウエイで大変好評で今もロングラン中だそうである。
絵麻緒さんが宝塚出身だからか、カーテンコールの時 客席からキャーッと悲鳴に近い声も上がる(笑) そして宝塚現役と思しき人も数人来ていた。さすがに綺麗だし
男役の人らしくずば抜けて背が高い!もう一つ村井国夫さんが客席に居た!! 休憩時間にはフアンだろうか、数人が村井さんを取り巻いて話が弾んでいた。
でもなんで村井さんが大阪に居るの・・・? 何か他の公演でもあったのかなぁ??
I・LOVE・YOU 愛の果ては?