十二夜
9月22日 尾道市民劇場
「十二夜」
まず会場に入るとヴァイオリンを弾きながらのお出迎えがあった。 しかもリクエストがあれば弾きますよ!の声に何人かがリクエストしていたようだ。
そして舞台衣装を着た俳優さんたちが会場案内をされている。私を3階席へ連れて行って下さった彼に「あなたは何の役?」「セバスチャンです。あそこの・・・」と一階の
女優さんを指差し「あの人と双子の兄妹をやります」・・・この人が内田夕夜さんだった。ハンサム?ッ!・・・(笑) こんな方が会場のあちこちに居るのが見えた。
シェイクスピアのこの作品は内野さんの初舞台となったものでTVで放映されたものをビデオに撮って何回も見ているから、ストーリーはしっかり頭の中に入っている。
今回俳優座の「十二夜」は音楽劇、舞台にはまるで足場のような丸太が左右2箇所に組まれ、その中にドラム、ヴァイオリン、キーボードなどの楽器が置いてある。
他の舞台装置は一切なし。
海で遭難した双子の兄妹、セバスチャンとヴァイオラは離れ離れになってしまう。ヴァイオラは身を守る為に男装をして伯爵家の令嬢オリヴィアに想いを寄せている公爵の恋の
キューピットとして仕える事になりそのメッセージを持ってオリヴィアの所へ行く。所がオリヴィアはたちまち男装のヴァイオラに恋をし、またヴァイオラは公爵に恋を
してしまう。オリヴィアに憧れる伯爵家の執事を叔父や侍女たちが偽の手紙でとんだ格好をさせ挙句に地下へ閉じ込めてしまう。
やがてアントニオに助けられたセバスチャンがオリヴィアの前に姿を現す。瓜二つのヴァイオラと錯覚したオリヴィアはセバスチャンと結婚の約束をする。
最後には女性に戻ったヴァイオラも公爵の愛を得て、メデタシ!メデタシ!とこんなお話である。これを音楽劇として演じるのだがやはりそこは俳優さんの歌だし・・踊りも然り。
だが舞台は楽しかった! 尾道は舞台と客席がとても近いので舞台上から俳優さんが観客に話しかける。恐らくアドリブだと思うのだが、これがとても良い雰囲気なのだ。
笑いが起こり拍手が鳴る!そしてそれがお芝居にも反映して俳優さんたちがすごく載って来るのが判る。終演後ロビー交流会が有ったのだが、その席でも俳優さんたちも口々に
その事を指摘された。尾道の会場は3階席までで690席、舞台から見ると幅が狭くしかも2階・3階がせり出して見えるのでまるで舞台を観客が取り巻いているように見える。
距離が近いというのが良いのだろうか、役者さんが「とてもやり易い」と言って下さるのだ。こうしてみると舞台は役者さんと観客、双方で作り上げるものなのだ。
それを実感した舞台だった。良いお芝居を観る為には良い観客が居る事がとても大事な条件だ! つくづくそれを感じた今回の例会だった。
交流会で色紙と今回の舞台のCDがジャンケンで勝った人に当たる。なんと私はジャンケンで勝ちCDをゲットした(笑)
また良いお芝居を持って尾道へ来てください、と言うと尾道は大好きなので是非呼んで下さいと言われた。満更お世辞でもないように思えてチョッピリ嬉しかった!
こうして俳優さんと親しく交流が出来る、これが市民劇場の良さだね!
十二夜