ハムレット
7月15日 世田谷パブリックシアター
「ハムレット」
作 W・シェ演出 ジョナサン・ケント
出演
ハムレット 野村萬斎
ガートルート 篠井英介
クローディアス 吉田鋼太郎
オフィーリア 中村芝のぶ
レアティーズ 増沢望
ホレイシオ 横田栄司
ボローニアス 壌晴彦
亡霊・墓堀り 津嘉山正種
劇中妃 植本潤
シェイクスピア作で余りにも有名なこの舞台、原作を読んだことも無くざっとのストーリーと「生きるべきか死すべきか、それが問題だ」「尼寺へいけ!」の
台詞は知識として知っていたが実際に観るのは始めてだ。
幕が開くと5・6メートルもあろうかと思われる高い城壁(?)の上に篝火が燃え3人の男が下を見ながら騒いでいる。
見下ろす下には鎧兜をまとった銅像があり、そこを亡霊が通りかかる。
場面が変わると真っ赤な色彩の丁度コーヒーカップやお茶碗を飾る飾り棚のような箱の中に、この物語の登場人物が並んでいる。
物語の粗筋は国王だった父が叔父に殺され、その叔父が母と再婚をする。その事を亡霊から聞いて知ったハムレットが復讐をする、と言うお話だが、
なんと言ってもこの舞台の話題は女優が一人も出ないと言うことだ。王妃は篠井英介さん、オフィリアを歌舞伎界の中村芝のぶさんが演じる。
篠井さんの女装は想像通りだったが、中村芝のぶさんのオフィリアには本当に驚いた。その仕草といい声といい、とても男性だとは思えないとても可愛いオフィリアが
其処にいた。唯難を言えば衣装が薄く身に纏わり付くものを着ていたので、後ろ向きになった背中を見るとやっぱり男性だよう・・・(笑)
萬斎さんの熱演は確かに感じられたが私が想像したシェイクスピアの悲劇としての物語りの纏まりが無いように思えた。
もっともっと胸打つ悲劇ものを期待していたのだが、熱演の萬斎さんには申し訳ないが観た後、へぇー「ハムレット」ってこんなものなのか・・・(笑)
レアティーズとハムレットの剣の戦いの場面は迫力が有ったし、最後亡霊の父に抱かれて死んでいくハムレットにやっと安らぎが来た、と納得したが
観た後に心に残るものが無かったなぁ。
ハムレット