マウストラップ
2003年3月14日 三百人劇場
『マウストラップ』
戸井さんからこれに出演するからもし良かったら観てやって、と案内を貰ってチケットを取った作品。
物語は若い夫婦(内海光司・勝野雅奈恵)が民宿を営む山荘の開店の日から始まる。
大雪の中予約客が次々とやって来るが、そこへ警察から電話が入りロンドンで起きた殺人事件の捜査の為に刑事が来ると言う。
そして大雪の中を颯爽とスキーで現れたのが戸井さん扮するトロッター刑事、中々好い男ぶりだ!
彼の説明によると以前幼児虐待の罪で前科を持つ女性が殺され、その現場にこの山荘の住所の書かれた紙が有ったので
その事件に関わりのある人がこの中に居ると、その人の保護をする為に来たのだという。
宿泊客はかなり傲慢で我儘なボイル婦人(淡路恵子)、自称設計家のクリストファー、メトカーフ少佐(入江保則)
宝塚の男役そのままのようなケースウェル(高汐巴)と予約なしで飛び込んできた外国人の5人。
色んな事を質問する中で、犯人がクリストファーではないかと思わせる状況になるが、ボイル婦人が殺されているのが
発見される・・・。と言う所で1幕が終る。
2幕は人物の背景が解りはじめる。
ロンドンで殺害された女性に預けられていた子供3人の中の一番下の子が虐待を受けて死亡し上の2人の男女は行方不明。
殺されたボイル婦人がこの3人の子供を虐待を受けた家庭に送った当事者であること。そして山荘の女主人も当時の学校の先生で
助けを求めた手紙を無視した事が解る。そして行方不明の上の男の子が実はトロッター刑事、勿論偽刑事であり犯人だ。
もう一人行方不明の姉がミス・ケースウェルでトロッター刑事が髪の毛をくるくる弄る癖を見て弟だとわかる。
この作品アガサクリスティーの戯曲という事だが、ふぅ?ん・・・と言った感じ(笑)
ロングランの秘密は誰にも楽しめる良く出来た作品、とパンフレットに書かれたあったけどそれ程のものとは思えなかった。
戸井さんが颯爽と現れて刑事として質問する様が突如として子供っぽく髪を弄る仕草に変わるのがすごく不自然だと感じられたし
しかもメトカーフ少佐が本物の刑事だったと言うが、それならトロッター偽刑事がボイル婦人を殺した時点で、いやその殺人を
防ぐのが刑事の役目である筈、最後の最後まで種明かしをしないのもオカシイし、ケースゥエルもトロッターも子供だったとは言え
かなりの年齢になっていたはずなのにお互いが姉弟と判らない設定にも無理がある。
随所にへぇーこんなの有り・・・?と思える個所が有った。
題名の「マウストラップ」は殺人現場に残されたメモに「3匹の目くらのねずみ」とその童謡の楽譜があり劇中でその歌が
何度も歌われる。1匹目、2匹目、そして3匹目(女主人)を追い詰めたと言う意味か?
淡路恵子さんを久し振りに観た。傲慢で嫌味たっぷりのボイル婦人、老婦人の役だけどとても若々しく感じる。いやぁー中々のものだ!
初舞台だと言う勝野雅奈恵さん、お母さんのキャシー中島さんがロビーに居たがあの若さなのに体型がお母さんとそっくり(笑)
マウストラップ